otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

知らなかった汽水域なんて!

 雨、雨、雨・・・の一日。寒いけれど、湿り気のなかで、むしろちょっと一息つく。(私は両生類か?)

 テレビの具合が悪く、でもBSだけはよく映るので、BSをつけて新聞整理をしていたら「きすいいき」という初めての言葉を耳にする。―「汽水域」と書く。
 海と川の重複地帯:干渉地域のことを言うのだそうだ。水中で見ると水の中にまた水面が見えるのが凄い。海水は重いので下へ入り込み、川面に近いところが真水となっている。時々お砂糖が水に溶けたときに見えるような揺らぎが水中に見られる。
 銚子川というところでは、川の透明度がたかいので、実に綺麗にこの二層が見える。
 海と川の間で生きる生き物にとって、この汽水域がオアシスになっているのだ。でも決してここはやさしくはなく、むしろ生き物にとって厳しい世界で、満潮と干潮によって汽水域は絶えず変化して、おちおちしていると取り残されて―たこが命を落としていた。なかなか面白い番組でスクラップの手も止まって見入ってしまった。

 濃尾平野が取り上げられ、木曽川長良川揖斐川の三つの川のあるこの地域はかつて巨大な汽水域であった。しかし長良川の堰によって、いかに人間が愚かであるかを露呈する結果となった。道路一本で区切られている長良川揖斐川揖斐川川岸にはヨシの原が広がる。川の汚れを食べるしじみが水をろ過しているからだ。一方、長良川からはメタンガスが発生している―川のおならのように。根腐されして、ヨシは生えない。シジミは凄い!一年に二トンの水を浄化するのだそうだ。
 海と川を行き来する生き物は、堰がそれを妨げる。食物連鎖が切れると「死」の世界が」始まるのだ。一度切れた鎖は、もう元には戻れない。

 人と人、ヒトと猿や熊などの動物との間にも、この汽水域が必要なのだろう。