otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

8℃をくぐったのち

otobokecat2009-09-18

落下注意!→
定例の日和文庫の本紹介や、その他の原稿書きがあって、本の山と格闘していました。物書きが生業ではないので、長文でなくても案外時間がかかってしまいます。そんなわけでブログもちょっと滞り気味でした・・・。実は例のかぶれもなかなか完治せず、書くほうに行き詰ると時々わーっと痒くなったりして、かゆみ止めの薬を飲むと眠くなるし、困ったものです。

さて、このブログにも書いたように思いますが、先週最低気温が八度となりました。週末店に立ち寄ってくださった当店の軽井沢散歩の講師:森林インストラクターの高尾さんが興味深いことを教えて下さいました。この8℃というのが二つの意味のある数字だというのです。

一つ目は、これが軽井沢町の一年間365日の平均温度なのだそうです。ずいぶん低いのでちょっと驚きました。プラスのほうは夏の最高が滅多に30度は超えないけれど一応MAX:プラス30℃。一方冬の最低気温のMAXはマイナス20℃ですから、単純に考えると中間は5℃なのですから、平均8℃に不思議はないわけです。以前は7度だったとのことで、温暖化により一度上昇したのだそうですが、都市部ですともっと大幅にあがっており(4度ほど)、まだこのあたりでは樹木の恩恵が大きいということになります。ただし軽井沢といえどもここ数年の大型駐車場や集合住宅の増加、それに伴う交通量の増加、エアコンの設置の波が押し寄せており、上げ幅が一度では済まされなくなる日も遠くないのかもしれません。
八度のもうひとつの意味は、黄葉が始まる温度とのこと。確かに黄葉が始まっています。ウルシ、サクラ、ツタ類あたりがすでに色づいています。赤い実も増えています。草むらを歩くとズボンの裾が引っ付き蟲だらけとなります。
そして昨日はついに最低気温:5.9℃を記録したとのことです。昆虫ごとの生存可能温度の境目がどこにあるかはわかりませんが、確かに夜の草むらも急に静かになってしまいました。変わって手のひら大の蛾が外灯の周りをばさばさと羽ばたいています。時々数匹集まってきて、やおら恋の駆け引きが始まったりすると、かなり迫力のアル光景となりますので、慌てて外灯の灯りを消したりします。昼間は温かい日差しの中で、蝶やトンボが飛び交っています。国有林の中にブットレアのような紫の穂状の小花がたくさんつく草には、10匹のヒョウモン系の蝶が蜜を吸っていました。これはシャッターチャンスとカメラを構えてみたら、どの蝶の羽も見る影もなくぼろぼろで、可哀想でアップで撮影することは出来ませんでした。最後の最後まで種の保存のために懸命に生きている蝶たちにとって、連日の晴天は有難いことでしょう。私は早々にそこを立ち去りました。わずか数十メートルの距離ですが、自宅の裏の林道から北側は草原の様相でも人間はおよびでない「森」なのです。
 
シルバーウイークとやらにいよいよ突入しますが、賑わいに関しては当店は平年の週末よりも悲観的な予想です。東京から二時間、長野、松本から一時間強で来られる軽井沢は大型連休にはむしろ弱いような気がしています。
地元小学校の運動会があったり、インフルエンザ流行もあり、当分ないシルバーウイークと騒がれているほどではないような…。この間に開催する当店のイベントへのお申し込みが通常よりも鈍いことからもうかがい知れます。ということは、ブック・カフェの力が発揮できるということ?
こういうときには、椅子に腰掛けて、ゆっくり本をめくって見る時間をどうぞ。正直文庫もまだ日中の気温がたかいので、今はなんとか開店中。ストーブを入れる頃には外は閉店となります。

あえてイベントへの無理なお誘いは致しません。少ない人数のほうが参加した方にはいい時間を持っていただけると思うからです。
今秋の苗市は都合により行いません。その代わりといっては何ですが、園芸セミナーに参加したことのある方に限って、花材のおとり置きが可能です。(すでにそのようにされている方も見えます。)花苗ですので保存可能ですから、ご相談ください。21日の会はツル植物ということで、日本原種のクレマチスであるセンニンソウトケイソウ、あるいは斑入りノブドウなどからチョイスすることになります。

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