otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

伝えられなかったこと

先週月曜は長野の市の日で、その前の週は少し体調を崩していたのでパスしてしていたので、三週間ぶりに中央市へ出かけました。雪の降りしきる中を戻ってきた前回2月1日の市の日、荷物を積んで古書会館出発の際に「もう家が雪に埋まっているかもよ。」と茶化して送り出してくださったのがMさんでした。そのMさんの姿が今回市場に見当たりませんでした。我々のような新参者は、いつも市場では青息吐息。売りも買いもハラハラ・ドキドキですが、合間に他の書店さんには挨拶するのがせいぜいですが、そんな市場で先方から声をかけてくださる数少ない方の一人がMさんで、本のことなどいろいろ教えていただきました。特に番頭が狙っている本がたいていMさんには勝てませんでした。海外にも時々行かれていて、面白い旅の話なども休憩の時に伺ったこともありました。
月曜の市場も終盤に近づいた頃、いつも一緒に見えているPさんに「Mさんは今日はお休みですか?」と伺ったところ、亡くなったと聞かされて耳を疑いました。我々が行かなかった2月8日、いつものように市場に見えて帰られた後、急死されたとのこと。


 「あの日は追分にたどり着いたら、大雪でしたよ」と報告すれば、「僕が言ったとおりだったでしょ。」と自信たっぷりにハンチング帽の下からあのちょっときざな目が覗く筈だったのに・・・。

あまりに突然のお別れに、信じられないとつぶやくしかない私です。

まさしく鎮魂の日々となってしまいました。