otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

遥かなる旅路

昨年の6月に菩提寺のある新潟県村上の墓参りと、東北の3泊4日の電車旅を義母と我々二人の三人でしたのでした。
母は「じぱんぐ」利用し、我々は大人の休日倶楽部なるものを申込み、JRビュープラザに巻物のような長ーい路線図を作ってもらっって、日頃車で旅行することが多かった我々には初めてといってもいい電車旅でした。
瀬波温泉、角館、鳴子温泉という温泉めぐりでもありました。
行けども行けども、東北のそこここには田植えしたばかりの田んぼが広がり、人の手によってつくられた風景が沿線に広がっているのを目の当たりにして、むしろ辺鄙なのは軽井沢だと思ったことでした。
雑木林や草っ原というのはいわば放置した手つかずの景色です。一方、田んぼは同じ緑でも、人間が丹精込めて作り上げた風景であり、田んぼの広がる中を走ると何とも豊かな気持ちになりました。
白神山地にも行きたいし、奥入瀬や平泉にも久々に行ってみたいと思い、また来年も来よう!と言って、義母は大宮から関西にひとり帰っていきましたが、それが叶わなくなってしまったのです。
連休前あたりから体調を崩しつらい検査をして、結果が分かってからわずか一か月たたずに、母の闘病生活は終わりとなりました。ホスピスへ移ってわずか3日目のことでした。
余命はわずかと聞いてはいたものの、勝手なことにきっとあてにならないだろうなと思ってしまったのですが。私はついに生前会うこともお世話することもできませんでした。
追分の活動を全面的に支援してくれていた両親でしたが、油やにかかわり始めたこの三年の間に、その結果を見ることなく二人とも旅立ってしまいました。
早くけじめをつけないと我々が困ってしまうと、母は考えたのかもしれないと。
突然の別れではありましたが、ただただ潔さに脱帽し、この支援の形に報いたいと思っています。

木金と古本屋を閉めましたし、発送でもご迷惑を多方面におかけしました。
この場を借りて、深くお詫び申し上げます。