otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

曇りのちやはり雨、でも晴れ!

 4月29日「不忍ブックストリート一箱古本市」が開催されたが、私は初めて店主として参加した。

 やはり準備の手際が悪くて、夜中3時までかかっても、おまけの「みどりの文庫バック」が16までしか縫えなくて、赤い目をこすりながらの参加だったが、亭主が運転手をやってくれて、現場に送り届けてくれたことは、本当に有り難かった。
 曇り空にもかかわらず、とても多くのお客様が「一箱古本市」を楽しんでいただいている様子には大いに感激した。
 スタンプラリーをやっていることもあり、そのスタンプが「字」で、15箇所すべてまわると、文章になるという企画はなかなか素晴しく、スタンプの黄色い紙を片手に、箱を熱心に覗いていってくださるお客さんに対するのは、売り上げに関係なく楽しかった。大家さんは、豆腐をたとえばサンドイッチに挟んだりという斬新な豆腐レストラン「豆腐ルームDy's」さん自体が人気店で、場所もほかの店への通過点で、12−13:00はかなりの忙しさだった。ちなみに私たちの印はなるとのような「の」。(このスタンプを作成したのはセンスの冴える「八朔ごむはん」片岡知子さん。)
 相棒の4箱は、皆個性の違う4兄弟といったところで、値段決めにくじをやったり、お爺様の蔵書からの出品とか、買う側にも変化が付いていて面白かったと思う。
 せっかくの大賑わいのところに、雨!!そして3時に撤収決定。我々店主がどうこうより、スタンプラリーの完成しないお客さま、来たばかりの方々には本当に申し訳なかった。
 

 そして、そして、7時からの打ち上げ会で、なんとも思いがけず大変な栄誉…「不忍ブックストリート一箱古本市岡崎武志賞」をいただいてしまった。
 岡崎さんは勝手に師匠とも仰ぐ存在ゆえ、こんなに嬉しいことはない。本当に有難うございました!!

 100箱の中では言ってみれば、異色の存在だったかもしれない。夕方の店主同士の「一箱市」ではわずか1冊!の売り上げだったし、当日も朝一の当番以外の店主が多い時間帯はさっぱりだったけど、昼ごろからの一般客には結構好評で、つまり古本マニアにはつまらない箱でも、こういった一般社会のしかも路上でやることなので、古本界(芸能界ではあるまいし)に入りすぎていない分、社会性というか一般受けの企画力に岡崎さんは目をつけて下ったのだろう。
 今まで私が関わってきた「環境」や「みどり」がここで実を結んだといってもいい。
 この一箱に参加するにあたり、未熟なだけに(一応)作戦を練ったのだ。私はこの日が「みどりの日」であることをこの日の箱のテーマにしたら、多分競合店はあまりないだろうと思った。それに折から奥本大三郎さんの「ファーブル資料館」ができたところだし。
 しかし下見に来た時「往来堂」さんでは店の入り口で虫特集はやっているし、「地域雑誌:谷・根・千79」では「蟲を探して」を2005春にだしていたし、やっぱりね…練った割りに斬新ではなかった落胆した。
 しかし「毎日新聞」がこの日だけロゴがからになるという画期的なことを毎年やっているのにいつも「うーんうまいな!」と思っていた私は、やはりこれで行くしかないと思ったのだ。
 そんなこんなで、肝心の本以外のことに気を取られていた私だっただけに、正直のところ岡崎さんの賞をいただけるなんて夢のよう。
 
 今回の市に参加して、バックアップして下さっている方々の熱意と努力に大いに感動した。しかもその多くが私よりも若い力であることに、嬉しさと驚きと感謝!最後にステージに上がった方々の数の多さにも驚いた。イベントを打つということは、しかもすでに恒例化したものではなく、一から作り上げていくということは、並大抵のことではないということを改めて知った。皆さん本当にお疲れ様、そして有難うございました。感謝!

 来年の春の連休は、たぶん私は信州に居ることだろう。今回が最初で最後の「一箱古本市」になるか、あるいは宣伝・出稼ぎに出てこなくてはならないか……風にでも聞いてくれ〜。