otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

青も時がたてば赤に。

otobokecat2006-11-20

8月半ばより毎週末開店してきた店を、はじめて開けなかった。店に立ち寄ってくださった方がいたら、本当に申し訳なかったけれど。こう離れていては「本日お休み」のお知らせも簡単には出せず失礼してしまい、前の週に入り口にポストを設置したので、文句のお言葉が入っているかも??日曜は東京にも氷雨が降ったぐらいで、さぞかし冷えたことだろう。

と言うわけで、久しぶりの東京での週末は、土曜日は五反田の市へ。そしてその足で3時から東京堂書店で行なわれたナンダロウさんと向井透史さんのトークショウに申し込んであったので神保町へまわり、夜は息子を焼肉接待という我々にしては珍しく精力的な一日となった。

五反田の古書市は以前から勧められていたのだが、中央線では高円寺であるので、今までいけず。(丸の内方面に勤務する亭主は週末そちらにあまり近づかないのだ。)形式は同じだが、市の雰囲気はだいぶ違った。金曜日はかなり混雑したらしいが、土曜は比較的ゆっくり見られた。外台を見てから、荷物を預けて二階へ。なんとクロークに消しゴムハンコの八朔さんが。彼女はここでのバイトが縁で古本関係の判子を作ることになったのだった。

売り場は、高円寺より綺麗で静かで明るい。デパート展に近い気がした。高円寺の方が泥臭いかんじなので、掘り出すという楽しみがあるかも。でも置いてある本も若干違うので、ふと気がついたら結構手元の本の山が高くなっていた。

ほとんど安い本ばかりを買っただが、一冊だけ記念に欲しい本を高かったが購入。

●Portrait in Jazz ポートレイト・イン・ジャズ 和田誠/村上春樹 新潮社 2001⑩

ジャズに興味を持ち始めた初心者にはうってつけ。このジャズ通の二人によるジャズ入門書とはなんて贅沢なんだろう。村上さんの文章もさることながら、和田誠のジャズメンの肖像画が素晴しい。いつもに比べて質感のあるタッチのイラストで、紙から音が聞こえてきそうだ。

これは値段はそう高くはなかったが、【子どものとも】の姉妹紙【かがくのとも】の創刊号、かなり黄ばんでいて状態はよくなかったが購入。

●「しっぽのはたらき」薮内正幸/絵 1969 当時の値段が¥100 福音館書店

ラーメン屋で腹ごしらえしてから、コロの着いたかばんを引っ張りながら、御茶ノ水まで。駅のロッカーに預けて時間まで神保町をうろうろ。CD屋さんや、古書モールなど。

・捜していたロアルド・ダールの児童文学を二冊見つける。
石川セリ武満徹のポップスをうたったものを見つけた。武満徹は追分の隣町;御代田(みよた)を愛した人でもある。

三時すこし前に東京堂へ行く。なんと岡崎師匠とばったり、光栄にも並んでトークショウを。古本どころ三人が揃った構図は一箱以来。ブログなどで見ているのとはまた違って、若い向井さんが進行役をしている。向井さんのお父さんの書いた文が向井さんのタッチに似ている、さすが親子だねというナンダロウさんの突っ込みに、「実はそれ僕が書いたんです」と透史氏がゴーストライターだったことが暴露される。見抜いたナンダロウサンも凄いが、其の頃からすでに筆力があった向井青年もたいしたもの。会場爆笑。

早稲田に新しい楽しい流れが生まれてきていることもここで発表される。
会場には往来座さんも見えていた。はじめてお目にかかる。見た目はまじめそうであった。

終わってから岡崎さんとコミガレを冷やかして、伯剌西爾で珈琲を一杯。
そこでは一箱市仲間の「古本おーでぃっと とれいる」さんにもお会いする。
この店の狭さが新宿の今はなき「青蛾」を思い出すなあ。

■今日の一枚:実験結果:青いトマトは二週間で真っ赤になったの図
 (奥の一個はもともと赤、手前の二個は真みどりから赤に。やらせではありません)

★ナンダロウさんのブログに「路上派少年遊書日記――1981年・出雲」が連載されることに。これはけっこう面白そう。栴檀は双葉より芳し。