otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

光の加減


12月の最後の店開きのときに、立ち寄ってくださった建築士のM氏が、今ちょうどいい加減ですよと教えてくださって、コートを引っ掛け、カメラ片手に外へ飛び出した。なるほど陽はだいぶ傾いてきて、隣家の落葉松などの陰が西側の漆喰壁に影を伸ばしているところだった。樅や櫟や松を除いてほとんどの樹が落葉して林はだいぶ明るくなって、こうやって綺麗な影が見えるのも今;冬だけのことだ。

Mさんは工事現場に見えるたびに、決まったところからいわば定点観測をしてこられたのだ。同じ夕日であっても季節によって入る場所は確かにだいぶ違う。光の加減も違う。また自然のものであれば映し出されるものも刻々と変わる。

家に映る「影」を撮るという発想そのものが新鮮だった。

影といえば、この家の窓には格子が付いているので、部屋の中にその影が模様をつける。
これもまたこの家ならではの楽しみの一つ。

今週末には山に出かけるが、今回は店は開けない。行くのも亭主のみ。うーん白く輝く浅間が見たいなあ。毎日新聞の夕刊に掲載された唯川恵の『一瞬でいい』の連載が年末で終わったが、唯川恵氏は軽井沢町在住。浅間山を常に背後にしたような小説だったが、本日掲載の「連載を終えて」によると、やはり浅間山の存在の大きさについて触れておられる。

FM軽井沢のサイトは、いろいろ町の様子を伝えてくれるが、最低気温がマイナス9度あたりまで下がっている模様。いよいよ近寄りがたき地となりにけり…。空気の澄んだ今時分は、私のような素人でも結構綺麗な写真が撮れるのだが。