otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

古本市のはしごどころか…漬物!

otobokecat2007-05-15

■樹下思惟像(信濃追分 泉洞寺)…地元では歯痛地蔵とも。

中央線沿線の古本屋は火曜日が休みのところが多い。今の我々にとって一番のんびりできるのが火曜日だが、あいにく美容院も古本屋も「こけし屋」(西荻ケーキ屋)も休みとあって、かなり残念なのだが、今日はいつになく充実した火曜日だった。なにしろ早稲田の古本市が早稲田大学正門前「青空古本掘り出し市」とBIG・BOXの二箇所であったし、さらに中野のサンプラザでもやっているのだ。私はすでに先週BIG・BOXにははせ参じていたが、番頭N氏はまだで、これが最後のBIG・BOXの市なのだから行かないわけには…。
本日の天気予報は、午後からまた先週のような雷雨に見舞われそうだと報じていたが、あまりに穏やかな一日の始まりだったので半信半疑。できるだけ身軽な状態で行きたい番頭氏は、車内の本は持っても(←ここが尋常ではない)折りたたみの傘を持たないで出かけた。(もちろん私は持った。)
東西線直通で西荻窪から早稲田まではすぐである。スイカが使えるようになって、乗り入れ路線でも切符を買わなくてもいいのも助かる。「早稲田」で地下鉄を降り地上に出てきたら、あらら若干雲行きが怪しくなってきた、まずい。急ぎ足で正門まで歩いて、古本テントに向かう。プーンと蚊取り線香の香りがした。途中で青空の下の文庫棚に気づき、雨が落ちてくる前にと慌ててこちらを先に回る。しばらくして、店員さんがそろそろ怪しいのであと数分で文庫コーナーにはカバーをかけますと伝えに来る。カバーをかけ終わってすぐに雨が降り始めた。あっという間に本降りとなり、稲光まで。風もあり雨がテント内に吹き込んでくるようになり、店員さんが周りの幌を下ろして一安心。古書店員の皆さんの手際のいいこと。雨対策を万全に備えておられるので、慌てずどんどん先手を打つのには感心する。なにしろ紙ものは水が天敵。長年の経験が活きているのはさすがだ。テントは斜面に立っているので、雨がテント内を流れていくが、長机の下の荷物はすべてすのこの上に置いてあり問題ない。すばらしい。
雨の音を聞きながらゆっくり本棚を巡り、雨も小止みになった頃、箱一箱分の本を購入し自宅送付にした。
 (・・・ちょっとここで「セクシーボイス&ロボ」を見てまいります。)
 (終わりました。白石佳代子の存在感はすごい!)

雨宿りをしていた分買いすぎたかも?しかし、手ぶらで歩き始められるのは嬉しい。
正門前の定食やで昼ごはんを食べて、雨も上がったのでBIG・BOXまで古本屋巡りをしながら歩いていくことに。はしごというならいったい何段?地下鉄一駅分だが、だんだん荷物が重たくなるのでこれが結構しんどいのだ―半ば修行的古本行脚なり。しかし今日は暑くも寒くもなくてその点は楽だった。雨が降って気温がだいぶ落ち着いた感じ。「古書現世」では夏毛になったノラ君に会う。本の山によじ登り雪崩を起こしていたり…。途中珈琲休憩を一回とるも、馬場のBIG・BOXに着くころには、足取りは相当重くなっていた。あいにくBIG・BOXはさすがに終盤近くであまり掘り出しはなかった。近藤富枝さんが娘さんと出された『王朝継ぎ紙の世界』があったので記念に買った。昨年末に出たばかりの本である。

王朝継ぎ紙の世界

王朝継ぎ紙の世界

さすがに中野サンプラザ前での古本市は寄ることはできなかった。足るを知れというところである。早稲田を堪能した一日となった。