otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

忍冬とかいてスイカズラ

otobokecat2007-07-01

白とクリーム色の花が混在しているので、金銀花と呼ばれることもあるとか。
名前ほどあくどくなく、芳香豊かな初夏の花。

本田正次さんの『四季の花』(新学社文庫)をめくっていたら、先週来不明で気になっていた「二枚の花弁のみが長く上三枚は短い水辺に咲く花」とはユキノシタであることが判明。図鑑にある斑入りの丸い葉に見覚えがあると思ったら、そうそう春に野草のてんぷらをしたときに、数ある中でも評判の良かった肉厚のあの葉であった。こんな可憐な花が咲くとは。
そういえばそんな名前だったが、私はやはり肉厚の葉のユキワリソウ?と勘違いしていて、この変わった花を見たときに気がつかなかったのだった。店の裏の池の石垣に群生しており、その清楚な白い花が涼やか。
今日は雨上がりの日曜日。いよいよ七月の始まり―とは言っても、店は相変わらず静かであった。
今日は車を置いて追分西部小学校前17:46発の池袋行きバスに乗るべく、4時半ごろから徐々に収束させていく手はずだった。そして五時には店を閉めて15分後には出かける予定が、四時40分頃から俄かに客足が増え始め、売り上げは嬉しいものの少々焦った。幸い皆さんも夕食の約束などおありになるのか、早めに切り上げて精算して下さり、5時になったときにはもう閉められることができた。感謝。

7月より高速バスは道路が混むこともあって軽井沢発になる。朝夕一便ずつが辛うじて追分に停まる。いつもならがらがらのこのバスだが、今日は我々が最後の二席をせしめて満席だった。低価格が人気。結婚式に列席したらしいお嬢さんたちが軽井沢から沢山乗ってきた。一日遅れのジューン・ブライドだ。花嫁さんのブーケを持っている幸運な人もいた。

九時前に池袋に到着し、埼京線→中央線→総武線と乗り継いで帰宅。
そして23時15分からの内澤旬子さんを取り上げたTBS「情熱大陸」を見る。いやあ面白かったが、一箱古本市はちょこっとしか写らなかったけど。
書皮講座のところに畠中さんもしっかり写っていて、畠中さんさすがである。

あの売れ残ったというトートバックは、我が家にちゃんと二枚ありますぞ。
一箱古本市のときにナンダロウサンの悲痛なお声がけははるか信州まで届き、遠隔操作で現場の「こちどり姉さんず」に購入してもらったのだ。内澤旬子さんはじめ、ナンダロウさん、岡崎さん、向井さん、オヨヨさん、退屈男さんまで半ば脅迫的にサインさせられたという豪華古本関連者サイン入りのお宝トートなり。使うなんてもったいない!店にお祀りしてあります。

番組の中に出てきた『堀辰雄の椅子』にびっくり。思わずエッ!あっ!と叫んでしまった。実は当店のカフェ設定の際買い集めた骨董品の中にあった椅子が、まさにあの椅子と同じ。とはいっても、実は郷土館のHさんが指摘したところによると、手に入れたものは、軽井沢彫りを施す前の原型らしきものではないかとのことだった。まだ彫りはない。
この椅子は組んであるだけでばらすことができ、背もたれにハートをひっくり返したようなくり抜きがあるのが特徴らしい。(次回行ったら写真に撮ってこよう。)まさにこの形と同じものが画面に映っていたので、Hさんの指摘の確かさにびっくり。

軽井沢彫りは、軽井沢に集った外国人達が、別荘用に注文した特注の家具で、日光より職人が呼ばれたそうだ。本国に持ち帰る時のことも考えてか組み立て式で、日本の思い出の品として一面に桜を彫らせたというもので、ドレッサーなどの大作はそれは見事なものだ。
JR軽井沢駅改札でて左に折れたところに、軽井沢彫りで作られた見事な「軽井沢駅」の大看板が壁にかかっているので、見る機会のある方はどうぞ。桜の枝と花が彫られたもの。テレビの画面によれば『堀辰雄の椅子』にはあやめが彫られていて、珍しいように思う。しかも堀辰雄記念館ではなく、神奈川のほうの博物館にあったということで、ちょっとこれについては調べてみたくなった。

30分の中にさまざまなことが詰まっていた番組。朴訥としているナンダロウサンの横顔がなんとも可笑しい。この強烈なキャラクターのお二人が、美味しそうな無漂白の太目のうどんをすするところで番組は幕となり、なかなかでした。
テレビはいろいろ見せてもらうことができるが、今回の放送の中で伝えもれてしまったのは「匂い」ではないか?角を茹でているあたり、もし匂いまで伝えられたら、鼻(だけ)はいい私はおそらく悶絶してしまったろうな。
内澤旬子さんの力量をあらためて尊敬したのであった。凄すぎる!

先日、軽井沢駅のことを書いたが、長野新幹線の中で配布しているトランヴェールというJR東日本で出している冊子7月号の巻頭ののエッセイが北杜夫による軽井沢のことであった。復元された軽井沢駅旧駅舎の写真も。国立駅とはちょっと違っていました。私の記憶間違いでした。訂正します。