otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

ま、いいか。

otobokecat2007-10-14

アンダーグラウンド、ブック・カフェ〔地下室の古書展〕も今回で第10回目。今日から16日火曜日まで。今回はおそらく節目ということで記念イベントとして意識して設定されたのかもしれない。(あるいは単にスケジュールがあったのかもしれないが)二階のギャラリーでは、トムズボックス土井章史のコレクションによる和田誠氏の本を中心とした作品の展示があり、初日の今日は和田誠氏と土井さんのトークショーも行われたので、もちろん駆けつける。
和田誠装丁の本』(1993 リブロポート)でも、その作品の数々は拝見しているが、古本としてなかなかお目にかかれないものも多く、実物を観る機会があって嬉しい。特に1960−80年代の本には、その本が出たときにリアルタイムで出合っているだけに、とても懐かしい友に再会した気分。
トークショーでは机にビールが林立!!しており、(いっぺんに出してしまって、ぬるくならないか気をもんでしまった。)時折トークの合間に、プシューと缶を開ける音が響き渡ったり…しながら、和田誠さんが少年の頃から順次話は進んだ。早くは小学生の頃からすでにイラストが印刷される機会があったというのにはびっくりだが、和田誠という個性が時代にすんなりマッチして、ここまで歩んできたんだなという気がする。凄い仕事量!そして嬉しいことにまだ進行形だ。
トークショーは比較的淡々と進み、質問コーナーに入って、特に最後の質問あたりで、(ようやく)もっとも饒舌に和田氏が語るのにはちょっとびっくり。すでに終了予定時間を大幅に過ぎていた。1000円の入場料に見合う分を話しつくそうというサービス精神が旺盛なのだ。アニメの質問におおいに反応されていたのは興味深かった。

イラストレーションというと紙の上の世界だが、和田誠さんは音楽にもアニメにも、映画にも興味があって、そのヴァイタリティーは素晴らしい。広い興味が才能をさらにどんどん伸ばしているのだと思う。横尾忠則宇野亜喜良といった個性の強い友人(+賑やかな奥さん)がおられるのもまた一役買っているのでは?レミパンの話もまたおかしかった。マシンガントークのレミさんの旦那という立場は、どうなんだろうかと密かに興味を持っていたのだ。

土井さんのフランクな「ま、いいや」の相槌の連発が面白かったが、失礼に当たらないだけ作家に信頼を置かれているのだなということを感じた。

会場の平均年齢の若さ、女性の多さに驚きつつも、もちろん和田誠氏と土井さんならではであろうが、このUBCが着実に古本という世界を進化させているなと思うが、残念ながら地方格差は広がる一方なのかもしれないなぁ…ま、いいか。(良くないぞ!)

■和田にゃンこのピンバッチ!