otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

プロフェッショナル

otobokecat2007-10-27

夕方に向けて風雨が激しくなっていく。N氏も無理はしなくていいと言って来た。さりとて高速バスのチケットはすでに買ってしまった。問合せても滅多なことでは運休しませんとの返事。つまりキャンセルすれば手数料がかかる。明日はいい天気らしい…あれこれ考えるよりも準備万端にして、出かける準備をすることに。

最寄のJRの駅までの徒歩10分をまず何とかせねば。
カバンをコーティングしてあるトーとバック一つにして、中に入れるものをすべてビニールでくるむ。携帯とか、デジカメ、書類とか浸水したらまずいものは入念に。ゴム引きにしてあるレインコート、長靴の代わりになる雨靴を着込む。いざという時の懐中電灯も持つ。田舎の八時以降はもう漆黒の闇なのだ。

コートの前もちゃんと閉め、フードもかぶり、五時過ぎにカバンを抱きかかえて出かける。雨足は激しいが、風は思ったほどは強くない。でもレインコートは役立った。これから家路に向かうために雨の中へ一歩踏み出す人で混雑している駅に着く。どこもかしこもびしょびしょだ。
池袋へ到着し、まずバスの運行をチェックしてから、近くのMでハンバーガーセットを購入してバスに乗り込む。
小諸行きが18:15
新潟行きが18:20
上田行きが18:25
次々にこの一つのバス停からバスが出て行く。
予約席は1Bだったが、結局全員一人がけで行ける乗車数だったらしく、運転手さんに3Aへどうぞと言われてる。隣席も使ってゆっくり荷解きをしているうちに、バスは「気をつけて行ってらっしゃい」のバス停のおじさんの声に送られて定刻に出立した。緊張が一気に融け、おなかが空いてハンバーガーをぱくつく。

悪天で車を使う人が多いらしく、高速に乗るまでに都内を抜けるのに時間がかったが、ひとたび高速に乗ったら、空いていた。乗りなれた人が多いらしく、しかも一人客ばかりなので、おしゃべりする人もなく静か。バスの中は無音なので、イヤフォンで音楽を聴いている人も多い。ドーナツ枕まで持参している人もいた。

上里サービスエリアでの休憩時にはほぼ定刻。雨も小降りになっていた。乗車人数も少なくて予定より1分早く発車。なんとこのバスは、富岡・下仁田・松井田は、降りる人がいたらわざわざ高速を出て、また乗り直すのだ。今日はこのうち一つだけで、ちょっとほっとした。この三駅はどれも高速下りてすぐのところの何の建物もなく、自動販売機の青白い灯りだけがあるようなところに停車するのだが、既にお迎えが来ていることもあるし、下りるなり公衆電話に向かう人もある。概して皆旅慣れており、心細い感じな人はあまりいない。

軽井沢地区に入ると、72ゴルフ、プリンスホテル軽井沢駅中軽井沢駅、そして信濃追分に停車する。〔すべて同じ料金〕
運転手さんには、情報として降車場所情報も把握しているらしいが、毎回普通の乗り合いバスのように、乗客が降車意志をボタンを押して示す。(寝こけて押さないと通過されちゃうのか?あるいは起こしてくれるのか?が謎だ。)バスの下のトランクに荷物を預けている場合には、運転手さんがバスを降り、ハッチを開けてくれる。安全走行はもちろんのこと、運行管理から、こういったことをすべて一人でこなすのだ。しかも道路状況を後続の車に知らせたりもしているし、災害が起きたときは状況判断でルートを変えたりもする。今まで何回も乗ったが、どの運転手さんもきちっとしていて、プロフェッショナルな感じがしたが、安心感がその根幹にあるのだと思う。

というわけで、台風の中の強行軍〔少々過剰反応であったが〕は、無事に突破できたのでした。めでたし、めでたし。

■「私は乗り物はごめんこうむります」のベル公。