otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

本の放射線

otobokecat2008-03-08

昨日は、教文館阿川佐和子さんの講演会があった。五日にお目にかかってはいたが、阿川さんのトークはいつも豪快で楽しいので、規模が違い、文庫関係者以外の方に向けてはどういったお話をされるのかと言う興味もあり申し込んでおいた。それにナルニア国での「かつら文庫50周年」の展示もみていなかったので。
松岡享子さんとの対談がきっかけとなって、キャスターを辞めてアメリカへ渡り、ワシントンDC.のスミソニアン(博物館)モールでボランティアをやったことなど伺った。
平日の午後開催と云うことで、参加者は女性が多かったが、相変わらずの歯切れのいいお話に会場は幾度となく笑いに包まれた。文庫には足しげく通っていたものの、本の蟲ではなかったということを繰り返し照れておられたが、最後に松岡享子さんが、たとえ本を読んでいなくても、佐和子さんはかつら文庫の本の放射線を沢山浴びて育っているから―とおっしゃった。「これは私にも使える!」と私は今日うかがって本当に良かったと思ったのだった。それにしても松岡さんは本当にお話が上手い。
子どもをとりまく環境の良し悪しが子どもの成長に何らかの作用があるということだ。

講演後、教文館ナルニア国店長Tさんと本屋の話など。佳い本に囲まれての仕事はいいですねと羨んだら、教文館ぐらいになっても常に模索を繰り返していかないと本屋の経営は難しいとのことで、一等地にあれば尚のこと、楽しんでいる暇などないとのこと。ちょっと身の引き締まる思いがした。

驟雨の中、渋谷に移動し、嬉しいことにかつての職場のOGたちと久しぶりに再会できた。皆それぞれ新たな道に進んだ今こそこうやって会える。職場にいた頃は強烈に忙しく、とても同じテーブルを囲むような余裕は無かった。
正月早々篭って片付けばかりしていたが、久しぶりに今週は外に目が向いた一週間だった。信州に引っ込んだら、なかなか都会に出歩くことも無いかもしれないな。ま、たまにだから楽しいのだろう、と云うことにしておこう。