otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

雫の旅だち

otobokecat2009-10-25

8時15分に見晴台いづみや駐車場に集合して、8時半より今年最後の「軽井沢散歩」が始まりました。残念ながら関東から雨雲が攻めてきており、本日の見晴らし台からの見晴らしは無いため、コースを変更して行いました。まず初めは、坂本宿に向かって中仙道を少し下ったところにあるブナの木を見に行きました。緑のダムとも言われるブナは水分の豊富なところを好むため、海に近い雪の深いところで見られ、北は北海道の南までみられるものの、海から遠く、雪もあまり降らない軽井沢ではブナは見られません。火山の近くは土壌が酸性で、その酸性が苦手なことも見られない要因のひとつです。この見晴台が軽井沢近辺ではぎりぎりのラインと言うことのようです。落ち葉を採取して観察。表面がつるつるしていて、しっかりした葉で保水力を感じました。

次に、中仙道を少し戻ったところから谷に下りていき、碓氷川の水源に行きました。その周り一帯で今ちょうど黄色く黄葉しているのが、チドリノキ。一見普通の何の変哲も無い葉っぱですが、なんとカエデの仲間。実もカエデ特有のブーメラン型と言うことです。樹皮も似ていましたが、カエデの仲間とはちょっと意外でした。水源に下りていくと水面に沢山浮かんでいました。ブナに比べて葉は薄く葉の周りの切れ込みも繊細な上品な感じのする葉でした。
 
 

最後は三つ目の見学ポイント:熊野神社に戻り、石段を上がって境内のシナノキの巨木を拝みに。樹齢およそ400年の大きなシナノキは「科の木」とかき、科野とかいて「シナノ」と読ませたことからもわかるように、長野県にはかかわりの深い木です。これほどの巨木はこのあたりでは珍しく、やはり神社の境内と言うことで代々守られていたと言うことなのでしょう。図体に似合わず、ハート型の白樺に似たかわいい葉で、今まさに黄葉、落葉の時期を迎えていました。大きいがゆえに落雷を受けたりして樹形も乱れ、だいぶ老衰に近くなってきているように見えましたが、周囲5mはありそうながっしりとした幹は、ごつごつと豪快な貫禄を見せて、しめ縄に守られていましたから、もう少しいけるでしょうか。

石段をおり、いづみやさんのちょうど前が分水嶺だったので、講師の高尾さんが水を撒いてみるというデモンストレーション。ただしアスファルトの道では水はまずは道路の脇に流れていき、それから左右に分かれました。

雨粒が少し落ちてきたところで茶屋のいづみやさんに入り、室内で座学となりました。暖かい室内で、紅葉の仕組みなどの講義をうけ、そこで暖かいお茶と五色!の力餅を頂き、さらに大将からこんにゃく田楽のおまけ付き!ご馳走様でした。頭もお腹も一杯になったところで11時過ぎに解散。

外に出たら霧雨が地面を濡らしていました。先ほど習ったようにここは分水嶺ですから、ここに降る雨の運命の分かれ目、碓氷川から、吾妻川利根川から太平洋に向かうのと、千曲川から信濃川から日本海へ向かうに、立ち会ったわけでした。うーん長旅ですね。
ご参加いただいた方々、気温が上がらない中でも熱心にご参加くださり有難うございました。インストラクター高尾さんお疲れ様でした。いづみやさんお世話になりました。今年はこれで軽井沢散歩はおしまいです。来春からまたよろしくお願いします。ホームページイベント欄等でチェックしてください。

散歩に興味のある方でしたら、11月23日の上原巌先生のトーク『森林療法最前線を行く』もお勧めです。15:30−17:00
力餅のかわりに焼き芋をお出しする予定です。
その晩19:00からは、今年もまた初冬の星座観察会をベルデ軽井沢の手水支配人のガイドで開催する予定です。合わせてどうぞ。
お問い合わせは、0267−46−8088 追分コロニー