otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

晴れ時々*小雪

全国の天気予報図では、長野県のところにどんと*雪マークがついているため、当店ももうスッポリと雪に埋もれてしまっていると思われているかもしれませんが、実はそんなことはありません。現状は一日おきに朝方*小雪が降って、地面は一時白くなりますが、でも日中は日がさし、みるみるうちに雪は消えていくということが繰り返されているものの、基本的には地面がちゃんと見えています。
今朝は綿のようなふんわりとした雪*がゆっ〜くりと落下し、そのうすいでもはっきりとした結晶が枝や葉の上でしばらくとどまっていました。一時は子供が絵に描いたように白い点々が空中に満遍なくあって、きっと昨晩軽井沢のホテルに泊まった内山さんたちが、朝食のときにでもホテルの大窓から屋外を白く塗りつぶしていく様子を見て嬉々としているかな〜と思っていたら、図星だったようです。

■雪が降ろうと、狐君(ねこです)はちゃんと通ってきます。↑
気温は低いのでまとまって雪が降るともうずっと冷凍保存されてしまいますが、今のところは毎回小雪なので、太陽光線で解けた隙から蒸発していき、地面はほとんど濡れもしない状態です。地面は凍てついており、歩くとそのごつごつとした硬さが靴の裏から伝わってきます。
野鳥に「ひまわりの種」をだしてやると、やっぱりヤマガラが一番乗り。でも、まだ林に木の実があるのか、今のところあまり減りません。一月ともなると、一日に一回は補充しなくてはならないくらい人気が出ますが。
仕入れてきた新刊本
『手紙、栞を添えて』 (ちくま文庫)
辻邦生水村美苗  筑摩書房  2009/12/09
ついにこれがちくま文庫に入りました。朝日新聞に連載されていたものが、1998年3月に本になり、1999年7月に辻邦生が軽井沢で亡くなりました。2001年6月に朝日文庫になったはずでしたが、なかなかこの本も文庫版も見つけられないでいました。私は実は二年前の大晦日に京都の古本屋でこの本を見つけたものの、あまりに状態が悪かったので購入するのを躊躇ったのでした。以後なかなか出会うことは無くて、やっぱりかっておけばよかったと後悔ししたものです。辻邦生没後10年めにしてちくま文庫となったのです。今週月曜日に神保町で早速仕入れてきました。信州の寒夜にロシア文学に読みふけっていたという手紙の一文を、私も信州の無音の師走の深夜に辿っています。ふと気がつくとストーブの火が消えかかっています。

手紙、栞を添えて (ちくま文庫) 
 松本は寒いけれど、雪は多くありません。それでもスペードの女王がアイシャドーを塗った妖しい眼でウインクするような夜、窓の外には〜(中略)
 私に言わせれば、長い小説を読む快楽は、とにかくそこに没入して、自分もこの世もすべて忘れ、ただ小説世界の中に生きるーそれしかありませんね。          
   『手紙、栞を添えて』辻邦生の手紙より