otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

小さきもの

テレビには荒れ狂った日本海が映し出されていましたし、実際今後大雪の懸念もあるようですが、軽井沢は比較的静かな冬の日です。気温は確かに下がっています。昨晩の雪は淡雪でいったん消えたものの、夕方からまた雪が少し降りました。明日の最低気温は−7℃、最高気温が0℃です。東京でさえ最低が1℃とのことですから、日本列島全体がスッポリ寒気に覆われているようです。
天気図中の「長野」とは長野県の長野では無く長野市のことですが、県外の人にとっては「長野」とみるとさて!と思ってしまうらしく、しばしばお見舞いのご連絡を受けることがありますが、軽井沢町は長野県のもっとも東端にあるので「長野」の天気とはまるで関係なかったりします。位置的に「長野市」は日本海に近いので、雪国の性格があります。明日の県内の天気図によるともっとも寒いのは志賀高原あたりで、吹雪で−15℃くらいまで下がって荒れた天気となっているようです。
このあたりはこの冬一番の寒さのようですが、曇りで積雪はあまりたいしたことはありませんが、寒くても晴天でないとスキー場をはじめ町内の人出も鈍りそうです。
我が家はここ何年もクリスマスは素通りしていますが、本屋としてはクリスマス本はかなりのボリュームがあるし、とくに絵本にいいものが多いので必ずコーナーを設けるようにしています。
今年のお勧め本はこの二冊です。

クリスマスのちいさなおくりもの (こどものとも絵本)『くりすますのちいさなおくりもの』アリスン・アトリー作, 山内ふじ江絵, 上條由美子訳 福音館書店 2010/10/06
今年でた絵本ですが、「こどものとも」としては2006年にでたものです。絵をつけた山内ふじ江さんは、詩人の木島始の奥様の妹さんで故木島始氏は追分人のひとりでもあります。

トムテ 
『トムテ』ヴィクトール・リードベリ詩,ハラルド・ウィーベリ絵,山内清子訳 偕成社 1979/11
『トムテ』はクリスマス絵本ではありません。トムテというのはスエーデンの農家や仕事場に住んでいる小人のことです。この本を師走の慌しさの中でふと空いた時間に捲るのが好きです。
このリードベリの詩はスエーデンの人に広く愛されており、大晦日の夜に朗読されているのだそうですが、ウィーベリの絵も素晴らしくて今の時期にぴったりの一冊です。
雪にスッポリと覆われた農場の夜回りをしながら、つぶやくトムテの言葉が耳の中に余韻を残します。
 人はどこからくるのだろう〜と。

『くりすますのちいさなおくりもの』のねずみにしても、『トムテ』にしても、あるいは借暮らしをしているアリエッティのような人とか、良く目を凝らせば小さな生き物がどの家にも共存して、時には我々を守ってくれているように感じます。お祭り騒ぎだけのクリスマスには賛成できないけれど、そういった小さき何かを静かに感じる時がクリスマスだとしたら、そういう時間があってもいいかなと・・・。