otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

鈴の連想

追分地区で、このところ俄かに別荘地として売地の看板があちらこちらに立っている。
林を整理する箇所も増えている。
何十年と放置してあったあちらこちらの林に手が入り始めている。

一方、熊が白昼目撃された。
石尊山登山道入り口から北へ300mだという。
この売地からも遠くはない。
重機が唸りを上げれば、彼らを追っ払うには少しは役に立つかもしれないが。
そこにはベニバナイチヤクソウが群生している。そのことを売りにしてくれるといいけれど。おそらく、あたりに伐採の印がたくさんついているので、その作業の際に踏みつぶされてしまうだろう。
元来追分原にベニバナイチヤクソウは生えていなかったのではないか?と思うと、これも時の流れではある。
花盛りに見納めしてきた。
来年の今頃はどうなっているだろうか。

自然団体のFさんによると、熊を目撃した時は注意深く観察する必要があり、(もちろん安全第一!!)
熊が「一頭か、親子か、けがなどしていないかなど状態によって、対応はどんどん変わる」という。
特に畑荒らし防止で熊を捕まえる仕掛けを設置するケースがあって、そこから逃れてきた手負い熊だと、人間を敵視し大変危険だという。
また親子連れも危ない。学習能力の高い時期に、ゴミなどの在処を親子で学習したり、鈴の音を怖がらなくなると、むしろクマよけ鈴が人間の居場所を教えることになり、鈴をつけるのがかえって危険だという。

いままで、車のない時に夜道を自宅まで歩いて登ってきたが、案外これは怖いことかもしれない。
サクランボや桑の実がなるこれからの時期は、注意が必要とのこと。
熊の生息地に住む覚悟は要るのかもしれない。

こんな山に近いところではない郊外で、野獣;猪や熊などが出没して騒ぎになっているけれど、ここは紛れもなくその逆で、我々人間がお邪魔しているのは明らか。
「結界」とはそういうところでもある。

テレビのクイズ番組で、神社の鈴は、神様にお出ましいただくためのお知らせの鈴とのことだった。
一方、猫の鈴は居場所を知らせるためのもの。
かつて、山歩きする人は熊に人間の居場所を教えて、よけてもらうために鈴をつけた。(←猫鈴的)
これからはもしや、神社の鈴的に、鈴音でかえってクマがお出ましになるということもあるのかも。

鈴のように愛らしい、ベニバナイチヤクソウの花を見ながらの幻想であります。