風音
大気が入れ替わり、一気に秋がやってきました。
空は青く澄んで、雲白く、紫の山も見えます。
ただし背後に雲が立ち込め、まだ全貌はみえませんが、徐々に晴れていくでしょう。これもまたアサマサマかも。
昨日までと違うものは、窓外の音。
午前九時ですが、蝉の声がまだ聞こえません。
おそらく気温が低いせいです。自宅の軒下の温度計は12℃。
そして、一番の違いは葉を揺らす音。さらさらと乾いています。
昨晩は雨だったのに、葉っぱの表面はもう乾いています。高い空に水分が上って行ったのでしょう。
湿度は60%を切っています。平凡な表現ですが、実に爽やかな朝です。
それにしても鳥の声が全く聞こえない!気温の変化に戸惑っているのかしら。
お盆過ぎて、やはり高原はすでに冬への舵を切りました。
今見えている緑を見る目が変ります。
この緑がすべて消えるまで3か月もないのですから。茂っている雑草も愛おしく思えます。
川端康成の『高原』など、初秋の高原のことを書いたものは色々あります。
夏のあいだ高原に滞在した文士が、五感で感じとった生まれたての秋が書かれたのです。
文化磁場油やの夏はまだまだ盛り沢山ですが、ぼちぼち本を開く時間も持ちたいものです。
今年は阿房文庫が好調です。「本」がここに有ることが認知されてきたのかもしれません。