otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

『チェコのマッチラベル』

 ナンダロウさんのこの本は、出て早々に、行きつけの古本屋さん(さてどこでしょう)で、早速購入した私だが、なんとFelissimoフェリシモという通信販売(正確には定期的通販??)の冊子に、この本がお勧めとして載っていたので、ちょいとびっくり。
 なにしろ、この通販には本の専門冊子もあるけれど、今回はよりにもよって若い世代の洋服が中心の紙面のなかに、混じっている。
 「なつかしかわいいデザイン」という表現だが、これは、私のような50目前の人の表現では「懐かしい可愛い」ということになるけれど、そうではなくて今風の表現での「ナツカシカワイイ」なんだろう。
 先日のアンダーグラウンド・ブックカフェに行ったときも感じたが、いまや、古本屋には、おじさんだけではなく若い人―特に女性が目立つ。不思議と若い男性もいるにはいても、何しろ若い女性はたいてい二人以上一緒なので、数的にも視覚的にも目立つのだ。
 古本の客層でいくと、40代から上の女性;つまりおばさんはもっともマイナーな存在である。「ちょっと古本屋に行ってくる」というと、たいてい怪訝な顔をされてしまう。ブックオフなど、もっとも顕著で、どのコーナーにもまずおばさんはいない。(自慢してどうする)
 とにかくこの現象(古本の新市場)は今後どんどん進んでいくにちがいない。この本は新しい書物だが、著者が南陀楼綾繁さんなので、ついむきになって古本やと結び付けてしまったが、とにかく最近とっても気になっていたのだ。このコーナーでこの本が紹介されるあたり、たぶんこれはすでに周知のことなんだな。と妙に納得。
 先日、古本屋で若い娘たちが「可愛い〜〜」と、ある絵本を騒いでいるのを、胡散臭そうにしていた私は、ホントにおばさんである。でもまあ、古本屋の未来は、彼女らにかかっているのかもしれないわけだから、この際我慢しないと…。ぶつぶつ。

■『チェコマッチラベル』(南陀楼綾繁著/ピエ・ブックス)2005 (¥2200+税)