otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

コハクチョウはだれのもの?

 近隣の善福寺公園に、6羽のコハクチョウが舞い降りたのは1月6日だったか。すぐさまNHKが取材に来て、2回放送された。それからというもの、なにしろ明るい話題に乏しい昨今、あっという間にこのニュースは多くの人の口に上るようになり、杉並区民にとってはなんとなく嬉しいような、他地域に住んでいる人は単に物見遊山な気分で、わざわざコハクチョウを見にくる人の数も増えた。ただ見に来るだけではない、お客さんにご接待とばかり、えさを撒く人が多い。それがまたマナーの度を外れた行為も多く、地元民としてははらはらしている。
 ハクチョウに餌を撒くという行為は、日頃北海道や新潟での餌やりの光景をテレビで刷り込まれているからなのだろうか。公園や社寺ではとに豆を撒いたり、公園の池で、鯉に麩をやったりということは、ささやかな日常の楽しみではある。善福寺公園でも小さい子を連れた年配の婦人が、袋に入ったパンくずを撒いて鳥や鯉と戯れている光景は、和やかな公園での典型的一こまであった。(←過去形)
 ところが、今、撒いたえさには、人懐こい尾長ガモや、ユリカモメがまず飛びつき。コハクショウはなかなか餌にありつけない。それを見た観客が大型のパンを投げるようになり、それどころがカレーパンだの、油塩いっぱいのスナック菓子ナドを撒くのだそうだ。この光景を見ている子供たちの目には、どう写ったであろう??野鳥の健康も、池の水質もおおいに心配なところである。

 ところが1月20日夜に異変は起こった。コハクチョウ、カモたちがいっせいに飛び立ってしまったのだ。実はその日の夜にこともあろうに某テレビ局が、現地からの中継ということで、大型機材を公園に搬入し、中には投光機もあった。鳥たちは突然の騒ぎに驚いて、逃げてしまったのだ。彼らには羽がある。それでも空っぽの公園の夜の取材は続き、コハクチョウの映像は、昼間のを代用したらしい。公園には管理事務所もあるはずだが。

 今後、コハクチョウが戻ってくるかどうかは、例えわかっても公表はしない。もうマスコミには懲りた。マナーの無い、常識の無い人たちが乱入するだけで、何一ついいことは無い。そもそもコハクチョウだけがとりではない、ほかの野鳥たちにとってもいい迷惑。
 せっかくの機会だから、本来こないはずのコハクチョウがここに来るということは、どういうことなのかということをかんがえたり、なかなか間近で見ることのできない珍客さんを静かに見せてもらって、春になってここから北へ旅立っていくまで、ゆっくりさせてあげて欲しいと願う。彼らにとっては、安全な休憩地の確保こそが最大のもてなしに違いない。

 マスコミももう少し常識のある行動をとってほしいものだ。
関係者はおおいに反省すべし!!

 どうせ報道するなら、大人のマナーの悪さや、野鳥との正しい付き合い方について、触れて欲しかったが、そのマスコミこそがもっともたちが悪く、あたかも自ら事件を捏造してしまったような後味の悪い出来事であった。