otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

楽しかったトークショー

 連れ合いの体調がイマイチで、古本関連外出もあまりしない昨今だが、12月の末に岡崎武志さんが坪内祐三さんとの稀なトークショーを池袋のジュンクですると発表して、即座に申し込んでおいたので、久しぶりに出かけた。よく幸運の40人に入れたものだ。
 岡崎さんのトークは今まで数回行っているが、坪内さんは初めて。調べもせずに、でも毎日新聞の「日記から」のコラムの文章からして、もう少し年配かと思い込んでいたが、ほぼ同年代、正確にはあの坪内さんがひとつ下であることがわかり、びっくり。私は岡崎さんと同年生まれで、学年違いである。
 1970年代に大学にいた人間が、だんだん世の中に露見してきたわけで、今日のトークの冒頭でも、1956−1958年生まれというのは、「旧人類の尻尾」であるという話になって、「うんうん」とうなずいた同世代の私であった。実は長年この世代は「かなり谷間」だと勝手に思ったけれども、たとえばマラソンの瀬古選手や、阪神の岡田監督のように、出そうででないという感じ。しかし、お二人のように頭角を現す人もいてくれて、有り難いことだ。
 岡崎さんの関西千鳥足風トークに、三軒茶屋あたりにお住まいらしい東京人の坪内さんが、ばしばしっとメスを入れて、傍で見ている無知な私にはかなり刺激が強いトークショウであったけれども、それでもお二人がばったり出会った「大宅文庫」が私の実家のすぐそばだったり、常に岡崎さんがぼけ役をやってくださっていたので、外野とはいえ、置いてきぼりを食わずになんとか楽しいひと時を過ごした。
 新しく出た本『気まぐれ古書店紀行』(工作舎岡崎武志著)を早速めくってみたが、坪内さんがおっしゃるとおり、これは記録としての価値は高いと思う。書き込みを印刷してしまうあたり、なかなか面白い手法。表紙の帯:これが普通と違って、かなり広い。帯というより、ハーフカバー??イラストは我らが西荻の石丸澄子さん。(勝手に仲間意識!)なかなか岡崎さんに似てる。その石丸さんも池袋に来ておられた。
 今日の参加者には、ブログ仲間が多かったらしく、早速皆さんがた感想をブログにのせておられるが、くしくも私の中に残ったフレーズも皆様方と同じで、ちょっと嬉しかったが、「安易にネコを使うべからず」が、もっとも印象的な坪内さんのお言葉。(反省…)
 また各地の古本屋がその土地の文化のバロメーターという一言にも、ピクリと来た私であった。ときどきこういった風に吹かれないといけないなあ。