otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

ガールズ オン アイス

 冬季五輪の影響で、日本人女子の氷上の戦いがニュースにたびたび載るようになった。

 すっかり使い尽くされてしまった「イナ・バウアー」。大昔、スケートやっていた私にしてみれば、これほどまでにこの技が脚光を浴びるとは思いも寄らないことだったが、とかくジャンプ、ジャンプ!の時代に、こんな地味な技が見直されるのは、悪いことではない。
 とかく反り返ることに目が行くけれど、この前後に足をずらして、並行に180度に保つということの方がかなり難度が高い。ずらさないで180度に開くのを「イーグル」と言うが、これも前に倒して内回り、そとのエッジにのって外回りというように、スケートのラインはカーブになり、どちらかというと男子が良く使う技。「イナ・バウアー」は直線の上でするわけで、あれだけ後ろに反っても、まっすぐ滑ることができる:重心がぶれないのには安定感が要求されるけれど、決してそういう風難しくは見えない地味な型である。
 荒川選手の名前を付けたいといった風潮があるけれど、「イナ・バウアー」はそもそも人名から来ているわけで、「アラカワ・バウワー」など、どう考えてもおかしいネーミングなのだから、こういったことをあおることは、マスコミはくれぐれも自重して欲しいところ。恥ずかしいことに、こういった妙なネーミングは日本中結構溢れている。

 折から、ジュニア選手権が始まり、みんなの視線が浅田選手に向かい、荒川選手もちょっと骨休めができるかな。いままであまり重圧なく、無邪気にやってきた浅田選手も、これからはかなり厳しくなる。これから20歳にかけて体型も変わる年齢で、体重も着いてくるし、様々な期待も降りかかり、いつまでもあの綺麗なジャンプが跳べるかどうか?
 ショートプログラムで、韓国の選手に負けて、いよいよ今夜フリー。笑顔が見られて、のびのびと滑れたらたいしたものだが。たとえ今回失敗しても、それもまた良い経験になるだろうけれど。
 
 一方、カーリングの熱も高まっている。面白いスポーツであり、しかも日本は選手が若いのもファンを増やすことにプラスになっている?(ま、いいか)「チーム青森」みたさに、日本選手権の行われている青森へ向かう(仕事休んでまで!)人もかなりいるとか。ただの大会が超満員とか。せめて入場料とって、施設維持費にでも役立てれば?長野五輪のときの男子の若きスキップ:;敦賀選手だっけ?のするどいまなざしを思い出した。今回の小野寺選手たちの真剣なまなざしもまた印象的だった。速さを競う競技の多いなかで、カーリングの観戦は長時間で、選手とじっくり付き合える分、見ている側の思い入れも高まるスポーツだ。
 
 こういった氷の上のスポーツにもっと人々の関心が向かい、スケートリンクがもう少し増えると良いけれど。スキーよりも手軽な冬のスポーツなのだから。