otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

青白い一週間

otobokecat2006-06-14

■今日の一枚:玄関の花鉢へやってきたカナブンが「馬」に乗っていた。


 太陽光線不足で気分が青白い日々が続く。サムライ・ブルーも。普通は朝だが、今週のブルー・マンデーは夜から始まった。

 あの日は、なんともいえない盛り上がりが夕方の街にあって、それも悪くはなかった。

 テレビでも、宅配ピザ屋の繁盛振りや、閑古鳥の鳴いている都心の飲み屋や、タクシーなど、いろいろ報道されていたが、実際に夕方の早めの時間に、スーパーマーケットで、観戦しながらつまむおかずや、ビールをかごに入れている勤め帰りの男の人が目立った。ピザ屋のスクーターの音も頻繁に聞こえた。

 この10時からという時間帯は、平日の日本の日常生活にばっちりだったといえる。日頃サッカー観戦したことのないような人も、なんとなく家路を急いで、普段なかなか入らずにいたひとも早々お風呂に入ったり、食事の後の片付けを済ませたりと準備万端にするには、10時キックオフは最適だった。がそれが結果的に良くなかった。
 そういった期待があればあるほど、しかも先制点を入れて負けたチームのないと言う状況にあって、よりにもよってあそこまで負けるとは。今週の日本列島は曇り!である。

 サッカー少年である息子にとって、ワールドカップは特別なイベントである。日頃えらそうなことを言っていても、世界のサッカー選手の戦いぶりの前では、ひれ伏すしかない。特に中学生であった前回から注目は世界であり、彼には日本びいきはまったく見られなかった。日本のレベルなどお呼びではないと言うわけだ。

 日韓大会では余所見をしていた息子でさえ、非常に不機嫌なこの月曜の夜だったのだ。いつもの冷静な判断力をどこかへ置き忘れていた。サッカーをやっている端くれとして、やはり勝って欲しかったのだろう。高校生になった今それだけサッカーに染まった生活をしていると言う現実があるからなのだろう。

 全試合を録画してみている息子は、ようやく冷静さを取り戻した。贔屓のイタリアの点の入り方を見たら、目が覚めたらしい。素人の私が見ても凄い。こうでなくては。ここには明らかに「美」が存在した。
 
 こういった国際試合があると、日本には案外まだ死語とも思えたナショナリズムが存在するのだということを実感する。ワールドカップはその名のごとくオリンピック以上に「国」を意識させられると言うことなのだ。まあ、それはそうだ!日頃は世界中に散らばって活躍する選手たちが、4年に一度「国旗」のもとに集まり、しかもここへ出る前の予選ですでに他の「国」と戦っているのだから。こう考えると、本来は監督も日本人?であるべきナンダロウが。
 日本人監督でこの舞台に立った時こそが、日本にとってのサッカー元年ともいえる。そのためには、負けたといってふてくされてないで、このチャンスに良い物をどんどん吸収すべし。

 
 さて、今回の晴天のドイツの太陽は、サムライたちにはちとまぶしすぎたのでは?と弁護するも、残念ながら次の試合も同じく三時から。日本で見るにはこの時間が良いが、彼らには夕方か夜間の試合の方がいいような…。
 
 果たして来週、蒼い空はみられるだろうか?




■読んでみたい一冊:川上弘美『夜の公園』