otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

みすずかる…

otobokecat2006-06-25

 本作家?の山崎曜さんが、文化出版局から『手で作る本』を出版され、その記念展が外神田の[美篶堂]で行われていて、今日が最終日であった。見る人は全員手袋着用という、ワークショップのような一風変った展示会で、本に載せた作品としての本や製本用の道具などが展示されていた。最終日と言うことで結構混んでいたが、幸い山崎さんともお話できた。

 曜(よう)さんは、私の実家のご近所さんで、おそらくわたしより4−5歳下。公立の小学校に行っていたら、同じ学校に通った間柄のはずだったが、私は小学校時代はずっと四国にいたので、学校という接点はなかったのだが、それよりも彼は小さい頃から本が大好きで、私の祖母がやっていた児童文庫に足しげく通っていたというご縁だったのだ。

 今日もその頃の話になり、本を文庫で借りて読んでいたので、今ご自分手元にはあまり本がなく、つまりはほとんど借りて読んでいたんだ!と気づいたと言っていた。彼のような本好きな少年が、昭和50年代ぐらいまでは結構どの街にも居たもんだ。私といえば、小さい頃本がまわりにあり過ぎて、案外読破していないものも多い。実に勿体ないことだ。(反省)(この家庭文庫はすでに閉館している。本は阪神淡路地震のあとの神戸の教会に移転した。)

 今日の展覧会のギャラリーは、神田川を背にした外堀通りに面している。ギャラリー・工房を併設したショップなのだが、ショップでは本にまつわる雑貨を扱っているのがユニーク。工房では製本のワークショップをやっていて、店の名前:美篶堂は工場がある地名である伊那市美篶に由来しているとか。このような難しい地名を見たのは初めてで、当初漢字が読めなかった。「みすず」と読むのだそうだ。信濃の枕詞として「みすずかる」ということばがあったように記憶している。急に親しみを覚えた。 →美篶堂: http://www.misuzudo-b.com/

 グラディエーションの見事なカラフルな色の紙を使った本(上製ノートブック)に見覚えがあって、オーナーの上島さんに伺ったら、ピンポン!大阪のCALO・Booksさんにも置いてあるという。年末に行ったときに目にしたのだ。使うのがもったいないような綺麗な紙ものが沢山あった。コーナーを使って写真や絵ハガキ帖を作ろうと、蛇腹になったノートを買った。信州の工場から届いたばかりだという。

 本の取り持つご縁が広がった一日だった。


■今日の一枚:ノバラにも来客が