otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

ピリオド!「。」

otobokecat2006-07-12

 ワールドカップが終わってしまった。物心ついたころからイタリア贔屓の息子は、前大会が不完全燃焼だっただけに、今回はすっきりとしている。世間はなにかと騒がしいが、サッカーをする人間にとっては、ピッチの中が全てであり、あまりそのこと以外には関心がないらしい。
 数日前のM新聞に、俳優の寺田農氏の記事が出ていたが、彼が一サッカーファンとして、ワールドカップにまつわるサッカー(以外)狂想曲に苦言を呈していた。同感だった。

 日本はとかく外野がうるさいが、つまりはサッカーがそれだけまだ広まっていないと言うことなんだろう。
 
 さて、あまり難しい話は書くべきではないものの、思いついたままに、今回たびたび耳にしたレーシズムに関連して、ちょっと。


 やはり日本に住み続けていると、このことには鈍感である。無理もない、島国であるのだから。また日本が独自の言葉を持つこともあり、ちょっと海外を旅行したくらいでは、レーシズムにぶち当たる経験は滅多にしない。


 私はアメリカに9年住んでいたので、自分のオリジンについて、いい意味でも悪い意味でもたびたび考えさせられた。でも私の語学力にもよるだろうが、(つまりわからなかったかもしれないともいえるが、)差別を受けたと「明らかに」感じたことは、幸いごく僅かだったと断言できる。しかし特にアメリカは人種差別については、細心の注意を払っているところだから。本当のところはわからない。住んでいたのがニューヨークだったということも大きい。

 道路上で、車のトラブルがあったときに、相手のドライバーが「Go Back to CHINA!!」とこちらを指差して言い放った。中国人と間違えられたわけだが、やはりこれはアジア人そのものに対する差別発言だったと思う。

 もう一回は、毎年アメリ東海岸で、初夏にカナブンが大発生してゴルフコースの植物が被害を受け、カナブンをとる仕掛けまで園芸店で売られていたが、そのカナブンがこともあろうに「ジャパニーズ・ビートル」といわれていた。
 日本人の多く住む地域の公立のゴルフクラブで、日本人はとかく男だけでまとまってゴルフをするため、週末のコースが混雑した際に、メンバーに「まるでジャパニーズビートルだわ!」とあざ笑われたところに居合わせたことがあった。

 アメリカでは週末は特に夫婦でゴルフをエントリーして、ほかの夫婦と同じ組となり一緒に回ることが多いのにたいして、日本人は男性4名でエントリー、しかも数組といったケースがよくみられた。コースが混んでくるとショートコースなど、打っているティーに次のグループが着いてしまい、目の前でうつということもあって、こういう場合、前の組の動向が手に取るように見えるわけなのだ。日本人だらけの場合、当然日本語しか使わない―何をしゃべっているかわからないので始末が悪い。じっくり日本人を観察されてしまう。
 アメリカには中国・韓国から来た人のほうが多いものの、週末にゴルフをするアジア人は日本人だけなので、これについては矛先はしっかり日本を向いていた。ジャパニーズビートルのピカピカと光った黒い体が、日本人の黒髪に通じるところがあるのかなとそのとき思った。

 悪い意味ではないが、こういうことがあった。もう20年前のことだが、かつてハワイオープンでミラクルショットをしたり、二クラウスとよいマッチプレーをしたこともあって、当時アメリカでの青木功の人気は絶大だった。そこで、コース上で良いプレーをすると、一緒に回っているアメリカ人が「あいよき!あいよき!」と握手を求めてきたりしたことがあった。【もちろんジョークで】(「AOKI」を」あおきとは読めないのだった。)

 こういった話は、なくなった米原万里さんだったら、いいエッセイにまとめてくださるんだろうなと思う。

 サッカーで何があったか解明されるという話だが、はたしてそれがいいのかどうか。放送禁止用語?かもしれないし、双方の名誉とサッカーと言うスポーツのために、暴かれるのがいいのかどうか?と私は思う。水掛論争が始まらんとしているが、基本的には喧嘩両成敗とすべし、そしてもうこれで「ピリオド!!」。
 
■今日の一枚:アカツメグサ;かつてふわふわがパッキングに使われていて、「ツメクサ」と言われている。もっとも白い方らしいが、赤の方がクッション性はいいかも?