otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

炎の魔力

otobokecat2006-11-04

初冠雪などときくと、急に火に当たりたくなり、ストーブに火を入れた。
小さなストーブと付き合い始めて14,5年経つ。はじめのうちは慣れなくて火を点けるのにかなり苦労した。おっかなびっくりですると煙ばかりでて閉口する。また台所やトイレの換気扇をつけたとたん、機密性が災いして煙が逆流したりして、煙くなりびっくり。案外微妙な代物なのである。
薪ストーブの魅力は暖炉と違い、炎と放射熱が両方楽しめること。暖炉の方がより魅力的に聞こえるかもしれないが、これが思ったよりも暖かくない。焚き火にあたった時と同じで、前面ばかりやたら熱くなり、背中がすーすー寒かったりする。暖炉の煙突が家中の空気を吸い上げてしまうので、風が起こり、思わぬところで隙間風になやまされたりする。
薪ストーブは、やはり煙突で上昇気流がおきているが、ストーブの火が燃えればストーブの本体、室内の煙突部分が放熱し、周りの石やレンガや木を温めて、その熱がじんわりと空気を伝わり部屋を温める。最近の家は保温もいいので、暖かさが長持ちする。
鉄瓶でお湯を沸かしたときと同じで、鋳物はなかなか冷めない。
私はストーブの上で煮炊きをするのが好き。ぜんざいや、塊の肉や鶏のスープなどは一晩でばっちり!手間要らずで経済的。怠け者にはうってつけ。
鉄瓶をストーブの上に置いておくと、やがてお茶を習っていたときに聞いた「松風」が聞こえてくる。北国の駅舎だとアルミの薬缶だったりするんだろうが。鉄瓶は重たいのが難だが、湧くのは早いし、音もいいし、Feが溶け出すし良いところずくめなのだ。
店にはでっかい立派な薪ストーブが入った。今までに比べてサイズが大きいし、焚き付けが横からだし着火にすこし緊張したが、空気調節のバーも着いて、煙突も高いしであっさり着いてくれた。今までの経験が少しは役に立った?
二日ともストーブの前でお弁当を食べた。ついでに昼寝までしたくなった。(おいおい)
炎はいくらでも見ていられる。時間がゆったり流れるように感じられる。厳しい冬の僅かな「お楽しみ」である。