otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

補色なんだけど

otobokecat2006-11-07

Yさんの庭からトマトがやってきた。
はじめプランターで作っていたのだそうだが、いつの間にか根が地面にまで伸びていってしまって、現在このトマトがたわわになっているという。その大量のトマトのお手伝いというわけ。みどりのトマトは久しぶりに見た。
私もアメリカにいたとき、イタリア系のおばあちゃんたちに、トマトを裏庭で栽培することを勧められて、スーパーマーケットの入り口で1ドルぐらいで売っているので、早速やってみた。Big Boyという名前だったような。成長著しく、丈は120cmぐらいになった。その名のごとく実は富有柿のように平べったく大きくなる品種で、ひと夏中収穫できた。トマトサンドイッチを良く食べたなあ。アメリカの食パンはなぜかトーストよりサンドイッチに向いていた。
トマトは思いのほか頑丈で、茎や幹は木化する。トマトがいくつもなるとその重みはかなりのもの。添え木を沢山たてて、枝をくくりつけたりした。
トマトの皮はセロファンのように薄いが、これがまた丈夫で、青から赤になるまで結構雨ざらしにもなるがびくともしない。だって料理でも湯剥きするぐらいなのだから。初冬の凍り始めた土の上に、唯一腐らないで残ったトマトの皮だけがひらひらしていた。
日本ではトマトといえば赤いもののみが良しとされるが、アメリカではみどりも結構食べていた。フライド・グリーン・トマトという料理もあった。また冬になって根を抜いたときには、まだ枝に残る大小の青いトマトが沢山取れるので、それはピクルスにしたりした。
ちなみに、トマトの次にアメリカの家庭菜園でポピュラーなのはバジルだった。彼女らのこの二種類の野菜の消費量が半端ではないので、自家栽培していたのだ。バジルの葉っぱを山のように沢山使った「ペストソース」もこのとき教わった。私は日本でイタ飯がはやる前に渡航したので(1983)、私はこんなに簡単にできるおいしいソースを食べたことはなかったが、バジルの生葉など見たこともなく、バジル栽培はトライしなかった。
こんなに青いトマト!と驚くかもしれないが、このまま転がしておけば、そのうちに赤くなってくるはず。一部残して試してみよう。思えば赤と緑は反対色なわけだし、トマトは案外大胆に変化するわけだなあ。
トマトと一緒に写っているのは、金井書店グループの出しているちらし「えぽっく」。A4フルカラーであり、掲載されている本にまつわる話といい、なかなかリッチなおまけである。もったいなくて読んだ後も捨てられないでいる。11月1日号の巻頭言は「読書の秋」。読み進めたら、小山雪岱の美しい装丁が着いた本を見てみたくなった。

コントラストの素敵な西荻トマト・ハナキリン&「えぽっく」