otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

埋もれた物を発掘すること

otobokecat2006-12-08

8日、海野弘さんと岡崎武志さんのトークショーが目白のポポタムさんであって、行ってきた。岡崎さんは海野さんの本を73冊も所蔵しておられるとのことで、当の海野さんもびっくりなさっていたが、私はというと『モダン都市東京』ぐらいで、いささかいい読者とは言い難いが、今日のお話を聞いてこれからもう少し読んでみようという気になった。

本と先に出会い、あとでその作者に会ったらイメージが違ったり、ちょっとがっかりしたりということもあるが、海野さんの場合はその逆ではないかと思う。岡崎さんの「引き出し力」もあるが、海野さんも後半ペースを上げてお話しされていた。独自のものさしで、多岐にわたって―建築や美術や都市を観察していく。できるだけ埋もれているものを捜して。一方単行本の表紙を編集者任せにするというあたり、昔取った杵柄である。もっとも元太陽の編集長の本ともなると、編集者サイドに気合が入ることは想像するにしくはない。双方の信頼関係があるからこそ、作者は原稿に集中できるし、編集者も頑張るわけだ。