otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

三月ひなのつき

otobokecat2007-03-03

長年6世帯の居心地の良い社宅に住んでいた。社宅は怖いよォ〜と友人におどされていたものの、それどころかここのお陰でどんなに安定した日々が過ごせたことか。べったりというのではなく、着かず離れずの絶妙の猫的距離感だった。
時は流れ子供たちもすっかり成長し、林住期に差し掛かった我々は、心地よい家産期をここで過ごせたことを感謝しつつも、否が応でも次の一歩を踏み出さなくてはならない時期に突入した。
遠方へ行く人有り、すでに別のところで住んでいる人も集まって、愛らしい雛様の飾りの有る料理屋で昼の会食会をして、近くの洋菓子店でお茶を飲み、語らいのひと時。ひな祭りに相応しい一日だった。

石井桃子さんの本棚■
『三月ひなのつき』〔石井桃子作、朝倉摂画 福音館 1963〕は、家庭文庫を開いた亡き祖母がもっとも愛した本。私もいったいどれくらいこの本をめくった事だろう。よし子がおかあさんに作ってもらった折り紙のお雛様をみてみたくて仕方なかった。古本と関わり始めてまもなく、石井桃子監修のお雛様の折り紙の本が出ていたのを見つけたとき、思わず握り締めていた私だった。信州の店の二階の資料庫にしまってある。次回写真を撮ってこよう。
朝倉摂の表紙の桃色のパステルの色が、私の春の印象になっている。