otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

魔法のペン♪

我が古本屋もささやかながら棚でお祝いをした。
今日3月10日は石井桃子さんの100歳のお誕生日。
石井さんの生み出した沢山の子供たちとともに、
「お誕生日おめでとうございます!」

今日という日を意識して、ここ1、2週間、石井桃子さんが雑誌、新聞などで取り上げられているようだが、毎日新聞は日曜日の「この人・この3冊」3月4日で江國香織氏が石井桃子さんの3冊を選んでいた。

  1. クマのプーさん プー横丁に立った家』(A・A・ミルン作、石井桃子訳、E・H・シェパード絵)
  2. 『チムラビットのぼうけん』(アリソン・アトリー作、石井桃子訳、中川宗弥画)
  3. 『幻の朱い実』 上・下(石井桃子著)

江國香織氏とまったく同感なのは、「石井桃子」という名前そのものが物語の国のものに思えるということ!翻訳家であり、作家であり、編集者であるということは、全て言語に関わることであっても、まったく違うタイプの仕事であり、それらを淡々と全てこなしてしまわれるのは、凄いというしかない。長寿の国日本においては、いまや100歳はさほど珍しいことではなくなってきているけれども、いまだ現役であるということは驚くに充分値する。おそらく自らのペンの力で誰からも、何からも汚されることのない言葉の世界へ、自由に旅することがおできになるからなのだろうと思う。きっと魔法のペンをお持ちなのだ。
日本の児童文学の発展にこれほど寄与した人は他にいないだろうと思う。

小さい牛追い (改版) (岩波少年文庫134) とぶ船〈上〉 (岩波少年文庫) 

サリーのこけももつみ (大型絵本) ゆかいなホーマーくん (岩波少年文庫 (017)) 
『ゆかいなホーマー君』は小学生だった私が読みふけった本の一冊。止まらなくなったドーナツ製造機のくだりにすっかり夢中になったものだが、今になって読んでみると、ユーモアの中に案外風刺が効いているのに驚く。
この二冊の原作者ロバート・マックロスキーの本としては、コールデコット賞をとった『カモさんお通り』も有名。
マックロスキーの本はどれも絵の力が存分に発揮されている。