otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

史上最速の「あさま」

いまや番頭が店主になり、店主はただのおばさんになりつつあり、物理的に追分から遠ざかっている私であるが、久々に行ってきた。

土曜日朝に弁当を三つつくり、ひとつは留守番の息子用、二つをかばんにしまって、明日の朝のパンや、水耕栽培の植木鉢だとか、モップの替えなど、どうでもいいものをあれこれ持って、9時前に家を出た。休日なので中央線の東京まで直通がなく、荻窪で乗り換え。悲しいかなその荻窪で特別快速に抜かれ、ぼやいているところで、二年ぶりぐらいに息子の同級生のお母さんKさんが声をかけてくれた。千葉にお友達とお花見にいくとのこと、東京駅まで道連れに。懐かしかった!お元気そうで何より。なにしろつい目と鼻の先に住んでいても、なかなか会わないものだ。

東京駅でKさんと別れ、コーヒーを買って新幹線フォームへ行ったら、上越新幹線だか東北新幹線の遅れのせいで、発車まであと五分なのに、まだ清掃中で乗車できずホームで待たされる。結局発車時刻1,2分前に乗ることができたが、出発は数分遅れた。さあ大変。実は軽井沢駅での新幹線と「しなの鉄道」の連絡時間はわずか6分しかない。一時間に一本のしなの鉄道に乗り遅れては困る。慌てて、「携帯を携帯するように」と連れ合いにメールする。
結果的に定刻に着いた。この新幹線はダイヤ上は64分で東京ー軽井沢を走る予定でこれは最短時間だが、今回遅れを取り戻し62分で走ったわけで、つまり私にとっては今迄で一番早い「あさま」号だったというわけ。

しなの鉄道を「信濃追分」で降りたら、「あたらさん」の那須さんご夫妻がフォームの掃除をしていらした。電車は一時間に一本なので、むしろ掃除をしていたら、電車が着いたというところだろう。駅の待合に花の苗がたくさん飾ってあったが、これは売れなくてもう弱ってしまって捨てられる運命だった苗を、もらってきて那須さんが丹精されて息を吹き返した花苗たちとのこと。「すごいでしょ?」胸を張る「あたら」(=もったいない)を地で行く那須さんだ。

迎えに来てもらって、店に直行する。12時開店なので、早速準備に入る。薪ストーブを着火し、私はまず掃除機をかける。棚のチェックをして、正直文庫を外に設置して開店。向かいのそば屋の駐車場にはどんどん車が入ってくるが、当店は静か。その分作業がはかどると前向きに考え、値付作業に励む。交代してストーブの前でお弁当。番頭N氏はひとりで8日間頑張って来た疲れがでたか、ストーブの前でとろとろしている。大口の買い物であった宮沢賢治関連本が、店の棚に入った。賢治本は多岐に渡っているのが棚に入れてみると良くわかる。精神世界と猫本と児童文学の間にすっぽりと入ったが、星座・宇宙や宝石、植物などにも触手を伸ばしている。かなりのボリュームであるが、N氏の労作により追分コロニーらしい良い棚ができた。

いつものように、夕方店を閉めてから御代田のつるやへ。なべの用意をして帰宅してテレビをつけたら、そうだサッカーだった。コタツでサッカー観戦。そして9時からはフィギュア・スケート。昨日の女子のショートプログラムは敵ながらキム・ヨナの出来がよかったが、まさかフリーで二階も転ぶとは。でも辛うじてメダルは取れてよかった。いくら日本開催とはいえ、みんなが軽々しく金、金というのは感心しない。真央さんも、まずは「ノーミスして」が直らないとね。表彰台に二人も日本人が上がるなんて夢にも思わなかった。
丁寧にすべるということを大切にして欲しい。