otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

本家のサクラ

otobokecat2007-04-05

山種美術館で「桜さくらサクラ・2007」という展覧会が15日まであるので、母と九段下の2番出口をあがったところで待ち合わせた。
今日は昨日の嵐は嘘のように去り、時期はずれの冷気とともに青空が広がった。東西線九段下で下車して、案内に沿って進むが2番出口は案外遠かった。なんだか同じ方向に人が多いような気がしていた。
2番出口に向かう長いエスカレーターを上がりきって、びっくり。そこは桜の園だった。目の前によくテレビの画面に映し出される桜の「千鳥ヶ淵」だったのだ。
やがてここが武道館と靖国神社へ続く道だと知る。どうりで混んでいたわけだ。4月はじめは毎日のように武道館で大学の入学式が行われている。そして今日はたまたま息子のすすむ予定の大学の入学式だったのには、ちょっと驚いた。
雨上がりの日差しの中で、桜だけではなくすべてが光っていた。菜の花やふじむらさきのハナダイコンが咲き乱れる土手にはツマキチョウや、モンシロチョウも舞って、母としばらく眺めていた。冷たい霙まで降った日の翌日とはとても思えなかった。
山種美術館の桜の競演も時期的場所柄にもいい催しだと思ったが、本物には勝てない?奥村土牛の「吉野」[rakuten:seibidou:10011576:image]加山又造の「夜桜」に惹かれた。
美術館の近くに器の店「花田」があった。よく婦人雑誌等で見たことがあったが入ったことはなかった。母と店をゆっくり見て回って、喫茶のスペースでお薄をいただいた。食べるのが惜しいぐらいの桜野といった風情の和菓子とお薄の若緑が春そのものだった。
花にはつきものの花見の宴のドンちゃん騒ぎがなくて、今年はいい桜見ができた。
アンジェラ・アキが武道館の桜吹雪の中で「サクラいろ」を熱唱したシーンをテレビで見てから、いつになく桜が気になっていたが、本家本物のサクラを拝むことができ、今年はなんとなくついてるような??

毎日新聞の夕刊3面で岡崎武志さんの連載コラム「あった、あった。」が今日から始まった。コクテイルでも話題となった「デル単」(私は関東人)の話。
そのとなりの「あの日に帰りたい」は山口洋子[私だけの昭和:「姫」]