otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

O村古本屋雉日記

otobokecat2007-04-22

結論;連休前は閑なリ!!この一言に尽きる週末であったが、関西から両親が訪ねてきてくれたり、客人が次々と見えたのだが、幸いにしてお話しする時間は十分とれた。まあそういう週末もあるというわけだ。風の吹く日だったが、私の針金細工により、風の中で、本屋は儲からないが、暖簾をかけることは成功した。わが工作力がこんなところに役立つとは!(自我自賛)店が静かであったので、本棚の補充をする。ご夫婦でみえても、ご亭主はもっと本屋を見たい、しかし奥さんは「あなたまだなの?」と店の中にさえ入られないケースがあり、非日常生活圏にある本屋であれば、ご夫婦ともに楽しんでいただける店でなくてはと思う。

日曜朝、山荘の玄関の外の林の中に雉(雄)がいた。カメラを取りに行っているまに、ゆったり、でも大またでだいぶ遠くへ行ってしまったが、なかなか存在感のあるとりである。前日までの「○○をよろしくお願いいたします」の連呼がおさまった日曜日は、山は静けさを取り戻し、鳥のさえずりがそこここで聞こえた。
ようやくストーブを焚かなくてもなんとかなるほどに暖かくなったのは、本当に有難い。

同じ町内でも、私は土曜日にバスでやってきたが、途中新軽井沢あたりはコブシがそこらじゅうで綺麗に咲いていたが、残念ながらここはまだまだである。本当に晩生な追分だ。ちなみにコブシは軽井沢の町木である。

そんなO村にも着実に春は来ている。標高1000mの我が家の周りは、雪の仕打ちに耐えたカタクリが咲いている。早起きのウグイスカグラがささやかな花をつけている。
母と山を少し歩いてみたが、山荘から店までのわずかな高低差の間に、ミドリの境界線があることをを発見した。一番上段に当たる1000林道はまだ緑のほとんどない状態だが、少し下がった中段では、可憐なタチツボスミレが樹の根元や石の脇に咲いて、ヨモギがうすい灰緑の葉を地面近くで広げている。沢が緑に染まっており、ここ(980mあたり)まで緑は来ている。

さらに下がった店の周り(950m)では野草が花盛り。春のふじむらさき三種と勝手にくくっている:ホトケノザ・カキドオシ・ムラサキケマンが咲いている。さわやかな青い花オオイヌノフグリタンポポに虫がとまっていたが、なかなか海野和男さんのような写真は撮れない。昭和天皇が雑草という草はないとおっしゃったそうだが、可憐なだけでなく野に咲く花は暦や天候を教えてくれる。

さまざまな方の縁を手繰り寄せるような時間が流れていたこの週末だったが、そのひとつに私の昔の職場より処分する本を役に立てばとたくさん送っていただいたということもあった。あいにく都市部の様に電話一本で、希望の時間に配達してくれることができないとのことで、すぐそこまで届いている「宝の箱」をなかなか受け取れないでいたが、ようやく受け取れた!

高速道が開通しもはやくねくね碓氷峠を登ることなく、また新幹線により電車でもわずか一時間で到達できるようになり、すっかり都会の生活に近くなったように錯覚していたが、やれやれやはりここはまだ陸の孤島だった、という思いを新たにしたのだった。玄関先を雉が歩いているような、イノシシがうりぼうを引き連れているような場所なのだということを。・・・ま、郷に入っては郷に従えということなのだろう。