otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

みどり(づくし)の日

岡崎さんの来訪によってすっかりビビッてしまったベルが明け方から騒ぎまくり、私はベッドに戻れず、居間のカーペットに猫と一緒に転がる羽目に…。
昨夜の打ち合わせでは「明朝はゆっくり起床」ということであったが、岡崎さんも早めに起床され、番頭がしんがり。LPレコードBOXから岡崎さんが選んでかけたのは、BUZZ(バズ)知っている人はすくないだろうなあ…。実はこれは数少ない私所有のLPであり、しかも朝に聞くにはぴったりなので、さすが同い年のチョイス。「朝」「回転舞台」「誰もいない部屋」などは歌詞が特にいい。なんと30年ぶりに聴いた。
天気がいいのでベランダで朝食をとる。生まれたばかりの明るい緑を眺めながら、野鳥のさえずりをバックミュージックにして食べる朝ごはんーこれが贅沢なのだと思う。まだ虫が寝ぼけている今だからこそできることなのだ。いやあ、これこそ「みどりの日」らしい一日のスタートである。一日遅れの「みどりの日」なり。
さらに食後に山歩き。近くに早稲田大学セミナーハウスがあるのだが、そこにある復元された歴史的建物;「グリーンハウス」を目指して山道を歩く。広大なセミナーハウスには人影もまばらで、春霞にちょっとかすんだ青紫色の浅間山がグラウンドの向こうにあった。それにしてもこのスペースを使って、もっと何か出来ないかといつも思う。勿体ないなぁ。振り返ると遠くに雪化粧の八ヶ岳も見えた。

山小屋に戻って店まで車で行き、天気も良いのでもう一散歩することにする。郷土資料館で出しているマップを頼りに後藤明生の随筆にもある「吉野太夫の墓」を見つけに行くことに。追分宿には飯盛女が多数いたということで、唯一名前の残っているのがこの吉野太夫だといわれている。まず西の外れの分去れまで歩いて行き、交通量の多い国道18号線をわたり、さらに南へ下っていく。かつてこのあたりは田畑だったと思ったが、今は別荘地になっていた。はたしてこんなところにあるのかなあ、引き返そうかといっていたら、着いた。看板が落ちていて、別荘にはさまれているという立地がちょっと残念だったが、道中、野辺にはさまざまな野草が咲いているし、庭先には桃色のオオシマザクラや、雪柳が満開。それにしても赤いチューリップしか、男どもは花の名前がわからないのには呆れた。
店に戻り、向かいの「ささくら」さんの開店時間に並んで蕎麦を昼食に。蕎麦アレルギーの番頭氏に気兼ねして滅多にこないが、聞くと天丼もあるとのことで番頭初来店。南に向けて開け放たれた席が気持ち良かったが、少々待たされてしまい、当方の開店時間(12:00)にまだここで蕎麦をすすっているという有様だった。番頭氏が岡崎さんをしなのおいわけ駅へおくり、私がばたばたと暖簾を出す。
昨日の講演セッティングがまだカフェ仕様に戻してないので、本日はブック・カフェはお休みにしたが、店の売り上げは良かった。昨日従兄弟のM子が、東京世田谷豪徳寺の「招福猫児(まねぎねこ)」を持ってきてくれたのが効いたのかもしれなかった、有難う!

幸いにも客足が途絶えず、今日は連休スペシャルで6時まで開店時間を延長した。夜中まで開いている西荻窪からすると、まだこれでも早いけれど。

★岡崎さんにはご多忙なところ、はるばる追分までお越しいただき、本当に感謝!感激でありました。