otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

新しい流れを

otobokecat2007-05-29

■昨晩の雨粒を抱えている朝鮮五味子(チョウセンゴミシ)の花(26日)

アンダーグラウンド・ブック・カフェも今回9回目。イベントが毎回充実していくなぁ。週末は行けなかったが、今日の夜のトークショーを申し込んであったので、少し早めに行って最終日だがブック・カフェを覗くことにする。
折から八朔ゴムはんの片岡さんが、下記のように美篶堂ギャラリーで作品展をする時に当店のゴム印を展示したいということで、一式貸し出すことになり、ブツを地下室で渡すことに。(怪しい響き?)片岡さんもUBCでワークショップをしているのだ。ちなみにUBC目録の表紙の[珈琲片手に本を読みふける男性]は片岡さんのラバースタンプによるものだ。彼女の創作力はとにかくすごい。
久しぶりに会う片岡さんは、相変わらず爽やか。最近、片岡さんは草木染にも興味を持ち始めているらしい。先日行った高崎染料博物館の話で盛り上がる。続きは作品展が終わった時にはんこを返してもらう時会おうということで別れ、私は棚を大急ぎで見て歩き、面白いものを見つけた。
"INTERLAKEN(インターラーケン)"という大判の洋書。スイスのホテルの創立125年記念の写真集で、コンファレンスのときに配られたらしくおそらく非売品。中にオーナーからのレターが。1990年
スパリゾートとして古くから栄えたスイスのインターラーケンの町並みの500枚ものモノクロ写真が収められている。軽井沢銀座の昭和初期の写真などと一脈通じるものがある。この本を購入したので珈琲チケットをもらい、外のカフェで一杯いただく。

6:30で一旦閉まり、トークショーの準備の合間に隣の郵便局のATMへ。本の購入の支払いの振込みなど。会場に戻るとすっかり模様替えが終わっており、入場して席を確保。
勤め帰りの人が続々と集まり、席がほぼ埋まり7時チョイ過ぎにトークショー開始。「「本屋」の現在と未来を語る一夜」ということで永江朗氏が進行役で、「本の雑誌社」の杉江氏と、往来堂書店の笈入建志氏の三人で。
なかなか面白い話が多々あったが、[不忍ブックストリート] が始まったきっかけはブックオフの登場による危機感だったとか、往来堂さんの本棚を作る時の工夫、杉江氏の「書店員大賞」の裏話など。とかく昨今盛り下がる話ばかりの本屋の世界なので、元気良く行きましょうというのが本日の共通目標だったようだが。30代の書店員が薄給で生活できなくてやめていくという話もあり。でも今晩、会場には若いスーツ姿の男女が目立ったようだ。横に繋がることで新しい何かが見えてくる。本屋にも未来はきっとあると信じたい。
現実的なこととしては、生活がかかってくる「家産期」の人が活きていけるレベルが保障されないといけないなぁ。まるで組合の話のようになったが。

古本を置く新刊本やの話が出たが、当店は、新刊本も少し置く古本屋なり。町に本屋がないとニーズに合わせてそういうことも発生する。

新刊書店も配本がないところは店が選んだ本が店に並ぶわけで。ともにおきたい本を置くという店で、次第に本来違う業種の垣根がだんだんなくなろうとしているなんてことを、書肆アクセスの畠中さんとチラッと話す。

夜にこういった集まりにでられるのも、あと一年のことだなあ…。山に引っ込んでも時々何かを口実にでてこよう。

八朔ゴムはん作品展2007年6月12日〜6月24日
千代田区外神田 美篶(みすず)堂 (御茶ノ水 聖橋近く)
03-3258-8181
http://misuzudo-b.com
平日11:00-20:00 (6/18定休日)
土日最終日11:00-18:00