本の林で迷子
■桑の実
やや細長いがラズベリーのような形状。緑→赤→黒(完熟)にならないと食べられない。そのことはラクーンなどの動物がよく知っている。木の実が黒く熟したトタン彼らは闇夜にまぎれて木に登って、集団で食い尽くす。このあたりでは誰が食べるのか?サルかクマ?
英語ではモーベリーとかいったと思う。追分はかつて養蚕をしていたので、桑の木は多く、そこいらじゅうに有ったがが、養蚕に使う桑は葉を取りやすいように?背が小さかったせいか、わたしは実がなるのはつい最近まで見たことがなかった。六月にはいなかったせいで見たことがなかったのかも知れぬ。モーベリーが桑ということすら知らなかった。
月曜は中央市。先週は車(運ぶ手段)もなく、そもそも品物も少なかったが、今日は番頭N氏と久々に一緒にでかけたら、分量も結構あり。張り切って見て回る。食指の動く絵本の束がいくつかあり、特に一つはかなり欲しくて、気張って入れた。もう一山はいくつかある同じようなものから翻訳物を中心にしているのを選んで入れたが、ともに同じ本屋さんに取られてしまった。否、わたしの上値が先方の下値にも届いてないので、惨敗だ。相当時間を費やして頭をひねっていたので、だめとわかり疲れがどっと。
辛うじて児童文学の特装本の束は上値で取れた。リバティー生地の柄の表紙で美本。しかし希少性から行くと残念ながら逃した獲物のほうが大きい。
それともう一つ、角川文庫などの9本の山は、わたしにしては大物過ぎててこずり、番頭N氏に値つけを手伝ってもらい入札。これはなんとか「中値」で落とした。文庫は1本に30冊以上入っているので、9本とは300冊ほどになり、すべてどうしてもというわけではなかったので、来る馬子唄道中の古本市に出したらいいかもしれない。
古本という林の中をさまよっている気がしてきた。しかし、集中するのはやはり二時間が限度。あれこれあっていつになく熱心に見ていたら、気がつかない間にクーラーにやられたらしく腰などが痛くなってきたので、このあとの神保町歩きはできそうになく、先にひとりで帰宅することにした。晩御飯作成用の体力を残しておかねばならない。
西荻では商店街を通って、肉屋と八百屋によって両手に袋を提げて、ふらふらで家にたどり着く。
くたばっていても地元に戻ると主婦の頭に切り替わるらしい。明日の弁当のおかずを考えるほうが、古本の山の値踏みをするよりもまだ楽、やはり経験がものを言う。
古本屋として同じだけ経験を積もうとすると、あれま80歳になってしまう。考えなければ良かった。
◆軽井沢のこけもも山荘はいまでもあるのか?スケート合宿でお世話になった。この「こけもも」は寒さに強く、軽井沢向きな植物。
- 作者: ロバート・マックロスキー,Robert McCloskey,石井桃子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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