otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

灯下の読書に相応しい時分

朝は雨が降っていた。久々のお湿りで、木々も大地も一息、我々人間も。家の周りではキンミズヒキが盛りだが、小さな黄色い花が雨にぬれた緑に良く映える。
日中ちょっと晴れて、蒸し暑くなる気配もあったが、そのあとスーッと冷えてきて、18度ぐらいではなかったか??ちょっと肌寒くてフリースを引っ掛けたぐらい。店に来店される方もみんな長袖。カフェの注文も暖かい珈琲のみ。
夕方、ふと見ると霧が巻いてきていた。これでこそ夏の追分だ。

大学のセミナーハウスから見えたらしい、先生と大学生二人のグループ。そろそろゼミの合宿の季節だ。
お年を召したご夫婦は奥様のほうが本がお好きの様で、堀辰雄の新潮社の全集をお買い上げ下さる。息子さんに買っていた「こどものとも」をずっと大切に手元においておられる由。当店の「こどものとも」の箱を懐かしそうに見ておられた。(昨日30冊ほど入れたばかり)傑作集は再版されているが、ソフトカバーのそれは出たときのみ。この絵本は定期購読なので、お子さんが幼稚園の頃あたりには毎月送られてくる。つまりどの本が懐かしいかは、まさにその家族の歴史なのだ。名前を書く欄があるので、ひらがなで記名されていることも多いし、よく読んでいる本はつまりすっかりくたびれていたり、小さい兄弟の仕業かくれよんの落書きがあったりと、薄いこの絵本が語ってくれることは多い。

群馬から車で裏道を登ってきた若い男性は、静かな時間をカフェで過ごしていかれた。

馬子唄道中の古本市(7/29)で文庫本三冊をお買い上げいただいた方は、もう読み終わったし、まだきれいだからと返却してこられた。宮尾登美子の『天蓋の花』が面白かったとのこと。次に読む本を探されるも、お好みの平岩弓枝が棚になく、そこで桐生夏生にチャレンジされるとか。これまた正しい古本屋の使い方である。
一気に電球の灯りに親しみやすい気候となり、これこそ読書にはぴったり。

来週20日(月曜)21日(火曜)も12:00−17:00開店の予定です。どうぞよろしくお願いいたします。