otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

9だらけの一日

otobokecat2007-09-09

東京のアパートはコの字型になっており、猫の額のような中庭に一本の常緑樹が植えてある。光を求めてひょろひょろとついに3階まで延びている。この木にメジロが巣をつくり子育てをしている。
ちちちち・・・という細い声、これはメジロ。文字通り眼の周りが白く、梅の花が好きでしかも鮮やかな草色なので、よく鶯に間違えられるあのメジロだ。子育ては春だとばかり思っていたので、まさか卵を抱いていたとは知らなかった。単に遊びに来ているのだとばかり思っていたが、しばらくして、数羽の雛の声がしてきて、頻繁に出入りする親鳥は、必ずなにかくわえているので、子育てだとわかった。台風でどうなるか心配していたが、無事乗り切った模様。建物で囲われているので、風あたりもひどくないし、狭いのでここにはからすなど滅多に入ってこない。

我が家のベル公が玄関からお出ましになると、親鳥が警戒してそれは大変な騒ぎようなので、ここ一週間は、出さないようにしている。親鳥を困らせたくないし、落ちた雛をくわえてこられたりしても困る。

日頃はその野生本能からか、家の中にいても窓の外の鳥の影には敏感で、窓越しでも電線のすずめやからすに威嚇のようなアアアア…という声を漏らすのに、手すりからわずか2mのところにいるメジロには近づきもしないで、それどころか階段付近で木に背を向けて座って、尻尾をふらふらさせている、いやな奴。ベルは親鳥の騒ぎを楽しんでいるかのようなのだ。

アパートの人たちも中庭に面したのすりガラスの窓をこっそりあけて、見守っている。巣立ちまで無事できるといいが。