otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

「秋映(あきばえ)」の頃

otobokecat2007-10-19

かつて信濃追分は、中山道と北国街道の分岐点だった。今は国道18号線から浅間サンラインという道路が追分から北へ分岐している。その反対側には、旧中山道が南に下りていくので、丁度フォークのように、三つの道路に分かれているが追分の地名は一応今も生きているということになる。また追分宿の西にある一里塚の近くが国道18号線の標高が最も高い1003m地点となっているので、峠でもある。

浅間サンラインは農道だったものが昇格した道路で、なるほどその両脇の浅間山の南麓に広がる緩斜面には、とうもろこし腰や白菜キャベツなどの畑が広がっている。それらの作物の収穫・運搬用に作られていた作業道路だったわけだ。
追分からサンラインを上田に向けて走ると、天気のいい日は、右手に浅間連峰、遠く正面にはアルプスの山々。左手前方には八ヶ岳が拝めることができるという景色のいい道路。小諸あたりには道路沿いにリンゴ園がいくつかある。たまたま入ったのが小さいが親切なリンゴ園で、こどもが小さい頃、数回りんご狩りに通った。長井農園だったか、やけに人懐っこい赤トラのでかいにゃンコもいたなぁ。マイケル君?まだいるかしら?
そこで新しい品種のりんごなども見せてもらった。色が渋いえんじの「あきばえ」という名のりんごの赤がなんともいえない深みのある赤で、ちょっと気になった。千秋と津軽を掛け合わせたものとか。10年くらい前はまだ試験的に作られていて、市場には出ていないとのことだった。その「秋映」に昨日東京のスーパーマーケットで出合った。クラシックないい名前だ。固めのりんごで、国光?のような懐かしい味がする。

浅間山も初冠雪し、温度が下がってくる頃になると、このあたりは俄然晴天率が高くなり、りんごもどんどん赤くなる。しんがりの「富士」の収穫が勤労感謝の日あたり。それまで次々にいろいろなりんごが収穫される。
丸みといい、いろといい、香りといい、りんごは信濃の秋の実りの象徴といえる。お風呂にりんごが浮かぶ旅館もある。(小諸の旅館中棚荘)

この週末あたり、そろそろ紅葉も楽しめそうな追分。浅間山麓にりんご狩りにでもお出かけください。

玉村豊男さんのヴィラデストより仕入れた文具・雑貨・2008年のカレンダーなど、今週末から並べます。