otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

天高し。壁はもう動かず。

昨日はいつもの月曜日。下山した番頭N氏の名札を持って神保町で落ち合う。
絵本と児童文学の山に札をいれるも、同じ本屋に持って行かれる。何も両方とも同じところに!特に片一方は僅差の負けであり、少々〔否、かなり)悔しい。
発送作業があるので、私は先に帰宅した。
N氏は遅れて帰宅し、車で買えた山を引き取りに再び神保町へ。


今日もまた視界良好な一日。若干風があり、雲ひとつない真っ青な空、澄んだ空気で片目をつぶってしまいそうなくらい、低い日差しが眩しい。
早稲田の戸塚市場の古本市を冷やかすべく、午後外出。
高架の中央線から見渡す風景がいつになく爽やか。目でビルの合間の富士山のシルエットを探すと、ちらりと見えたそれはかなり白かった。

実は私は戸塚市場は今日がはじめて。噂に違わず市場の香り(臭いというべきか)に包まれながら本を見たのだが、どうも慣れない行為なり。いまどきこういう場所が存在することに驚きつつ、嗅覚にはちょいと自信が有る私は、残念ながらなかなか本に集中できない。

早稲田通りを高田馬場まで歩くと、クローズしている店が思いのほか多いのに驚く。
以前から年季の入った蝋細工の見本が気になっていた甘味処「高野家」のドアを押すも、広い店内にはまったく人影がない。営業中の札も出ているし、テレビもガス・ストーブもついているのに。奥に向かって大声で呼びかけること数回、でも返事はない。とりあえず席について待っていようとのんびり構え、ようやく老婦人が出てくる。我々のほかに、すぐ後からもう一人の客あり。3人でぜんざいを頼む。歩きくたびれたところに甘ーいぜんざいが沁みる。
壁にずらーっと氷のお品書きが。この模造紙はいったい何時から貼ってあるのだろうか?古本と同じく「経年変化」があり。このゆったりの空間はもはや貴重品だ。
高田馬場では小きれいになったBIGBOXがそびえていた。それにしても窓のない妙な建物なり。動く壁は無くなった模様。30年前には、柄が変わる斬新な設えだったが。