otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

光代節健在(九日)、中央市〔十日〕

otobokecat2007-12-10

西荻北には、東西に善福寺川が流れていて、川に向かっての坂道が多い。自転車漕ぎにはなかなかつらいものがあり、わがアパートはこの坂道に面しているので、しばしば「もう駄目だぁ」とか、「ママ頑張って!」といった奮闘の声が聞こえてくる。

《九日》
最近、前の日のことを書く傾向にあって、なかなかその連鎖を止められない。
というわけで、これもまた昨日の第18回西荻ブックマークの角田光代さんのトークショーのことを少し書いておく。

日中、家の雑用をして、夕方からいそいそと支度をして、16:30に歩いて7分のこけし屋へ向かう。途中、案内役で「西荻ブックマーク」のOさんが寒空に看板を持ってこけし屋本館の前に。「Oさん、こんばんは、ご苦労様!です」と声をかけ、「今日は満員でよかったわね」と言ったら、なんと私はブービー賞並の申し込み順だったらしい。近い人ほど油断して遅刻するというあれですね。ひやひや。有り難く会場へ向かう。
こういった講演には珍しく前から埋まっている、しかも女性が圧倒的に多い。さらにこの私が平均年齢を上げているかもといった若い人中心の聴講者層で、いつもと勝手が違い、圧倒される。
定刻10分ほど過ぎて、髪がながくなり一段と若々しい角田さんが登場。北尾トロさんが聞き役に。北尾さんの口も何時になく饒舌で(すみません)、たびたび鋭い突込みを入れて、トークは快調に進む。
どういう経緯で中央線住人となったかという話は、西荻住人の私にはにやにやして聞ける内容であったが、横浜緑区や、野方の人にとっては厳しいものだったかも。それにしても角田さんの話は実にユニークで面白い。数年前とちっとも変わってない。中央線とはいっても、中野と荻窪西荻窪しか出てこないという相当偏った内容だったが、角田さんの飄々とした語り口でもって、おそらくそのことをぶちぶち怒る人はいないであろう。
ブログなんかに書かないでくださいよ!と言われていたのが何に対してだったかを忘れてしまって…だからもうこれくらいにしておく。面白い話は結構あった。
途中20分も休憩があり〔;女性が多いせいだと思う〕その後、朗読が一話あり、その後、質疑応答で又あれこれと盛り上がった。
だれかのことを強く思ってみたかった 集英社文庫朗読は『だれかのことを強く思ってみたかった』(角田光代佐内正史 集英社)より『ジュテーム』。5分ほどの短い話だったが、関越道に乗ってしばしば郊外へ向かっている私には、その最後ところの情景が手に取るようだった。実に耳に素直に聞こえてくる朗読だったが、なるほど角田さんは初期の頃などは自分の作品をしばしば音読していたという話で、このことはなかなか興味深かった。文の切れのよさはここから来ているのだ。
質疑応答は北尾トロさんの編集能力が十分生かされていたように思う。しかし西荻で行きつけの店紹介などは、相当ローカルな話で、路地裏の八百屋やT肉店、お好み焼きのHなどといっても私にはふむふむと思えても、町外の人にはさっぱりの話であったかも知れない。
角田さんにこれほど気に入って貰っている街に住んでいることを嬉しく思った。



《十日》
来週は第三週にて、事実上今日が今年最後の中央市なので、少々張り切って札をいれた。前半はさっぱりで、やっぱりねという感じだったが、最後のラストスパートでだいぶ買い物ができてしまった。先輩書店さんに「買いましたね」と冷やかされてしまったが、正直のところ若干値付けが甘くて恥ずかしいが、冬眠前の熊のようにがつがつとしてしまったということでご勘弁下さい。
実際店はほとんど閑散期に突入しており、12月最後の連休を終えたら、1月2月は店を閉めさせていただく予定です。(もっとも我々は寝こけているというわけではありません、WEB店も開いておりますし。)

夜は家族揃って、ピザを齧りながらTVでサッカー観戦。やれTの髪が変だとか、そのパスがまずいとか、絶好のゴールチャンスを逃してため息!だったが、思いがけず点が次々に入る。

忌野清志郎がブーツとアップリケのある派手なブーツを履いて、元気な声を披露。快気祝い?良かった。スマップが見たことも無いくらい活き活きとしている。昨日角田さんもファンだといってたなぁ。カリスマとは彼のことだと思う。(番頭Nもひとりで行く時は彼のCDをかけて碓氷峠をがんがんと登っているのだ。)