otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

肩の手

otobokecat2008-01-18

地域の児童館のこどもたちと工作やお菓子を作る「手づくりの時間」のお手伝いのボランティアをこの地域から引っ越すことになって、そろそろお暇をいただくことに。
息子がお世話になっていたのが手伝いをはじめたきっかけで、軽い気持ちでやっていたが、いつのまにか足掛け10年ほどやっていたことになる。月一回、一年に10回、初めの頃は工作と調理が半々だったが、今は工作より食べるものが人気で、みたらし団子とか、フルーツポンチや、どら焼き、クッキー、キャラメルなどを一緒に作っている。地域のステンドグラスや、活け花のプロの先生に来ていただくことも時々あった。
以前は、低学年から高学年までが一つの班に混在していたが、いまどきの小学生は習い事や塾通いといったスケジュールが沢山入っており、このプログラムに参加するのは、低学年が中心になりつつある。一方、ボランティアの子供たちはとうに成長して、上の子はすでに社会人になっているので、8歳から10歳のこども達に触れる機会は日常にはあまりない。
今日はアイスクリームコーンにケーキ生地を流して、オーブントースターで焼くカップケーキを作った。卵をこぼしてしまって卵が少ない班や、チョコチップを入れ忘れて後で上に載せた班、やたらかき混ぜたので案外良く膨れた班など様々で、こどもたちがそれらの失敗をすかさずついて来る。「どうしてうちの班のは膨れないか?」「隣の班はもうできたよ!」とか口々にのたまう。わずか1時間半だが、火傷させない様に、みんなが楽しめるようにと心を配り、「口撃」にも反撃しながらも実は冷や汗たらたらで、なんとか終わるとほっとする。児童館の先生方、小学校の先生方は、これを毎日やっておられるわけで、いやいや大変だ。
思えば、私の担当する班はいつも他の班よりも遅くなって、子供たちにいつも急かされてしまう出来の悪い先生だったなぁ。試作とあわせて月二回ほど協力するのもちょっと面倒とは思いつつもここまで続いたのは、ボランティア仲間の和の力と、おそらく子供たちからもらえる「気」に惹かれていたからだろう。いろいろなこどもがいたが、その個性、またどんどん成長してさっさと巣立っていくその潔さが今となっては懐かしい。自分の子供だとこうはいかない。

私は今日は所用で少し遅れてしまったが、最後かもしれないので行った。
こっそり部屋に入ると目ざとい子供に「遅〜い!」と怒られて、それはそれで嬉しかった。焼き具合を心配してオーブンを覗いていると、私の肩にふと子供の手が置かれた。その子もまたオーブンの中が心配だったのだ。その重みを、コドモノチカラを忘れずにいたいと思った。
十年間有難う。