otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

【英国見てある記7】水仙の咲く頃

英国の三月の象徴

早春のイギリスで一番目を引くのはなんと言っても水仙の黄色。水仙の中でも大ぶりのラッパ水仙が芝生の緑とコントラストよく、冬枯れた屋外にアクセントをつけています。ワーズワースのダブコテージでは有名な詩から、そのラッパ水仙がトレードマークになって、水仙だらけでした。寒さの厳しい追分でも植えっぱなしの水仙が、枯葉の真ん中を突き破って芽吹いてきます。枯れた大地から勢いよく伸びてくる水仙には逞しさを感じます。
エジンバラでは、公園の原っぱ一面にクロッカスが咲いていましたし、コッツウォルズ地方では連翹が綺麗に咲いていました。クリスマス・ローズ、エリカ、スノードロップなども丁度盛りで、日本の本州の太平洋側の二月の終わり頃から三月にかけての気温とおなじでしょうか。
英国のガーデニング熱は相当のものらしいのは、この時期でも十分感じ取ることができました。ホテルの周りのプランター、店の入り口のハンギング・バスケット、トピアリーに剪定した低木などが街中で見事に趣味よく配置されていました。

春から秋にかけては、さぞかし庭園や町中が花盛りで美しいでしょうが、私は水仙が映えるこの時期のイギリスも悪くないと思います。それに木がまだ芽吹いてないので、野鳥の姿がよく見えました。そんなわけで、北限をエジンバラにしたのです。
  
 
今回の旅行は、みんなのスケジュールを調整した結果で、3月10日からとなりましたが、結果的にこれは良かったようです。あいにくまだ開いていない観光施設もありました。(ポターのヒルトップの家や、ウイリアム・モリスのマナーなど。)もちろん花盛りの頃のほうが美しい写真も撮れるでしょうが、湖水地方、コッツワォルズあたりは、英国人もあこがれる人気の観光地ですから、おそらくシーズン中は大変な混みようだと推測できます。三月下旬は復活祭の休日もありますし、シーズンはじめはすぐそこです。
湖水地域を案内してくれたツアーのガイドは、シーズン中は人は多いし、道の狭いうえに、駐車場も少ないので、一帯が大混乱になり、いろいろなトラブルも起きて、シーズンのちょっと前が好いんだと言ってくれましたが、あれもリップ・サービスでしょうか? 
同じく繁閑の差が大きい軽井沢の夏の混みようを思えばシーズンをあえて外すことを勧めるのも頷けました。