otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

《O村便り》霧がはれたら

otobokecat2008-04-14

昨日、急に山から霧が下りてきた。
音もなく、ひたひたと…。樅や落葉松の高木のシルエットがみるみる掻き消えていく様は、なんだか白い魔法にかかっていくような幻想的な瞬間だ。
追分は昔から霧が多いところで、村の北側の山から湿った冷気が斜面を下りてくるのだろうか。
同じ町内でも東端の旧軽井沢は、峠を霧が上がってくるといわれていて、碓氷峠とともにやはり霧の名所だ。
追分の霧の濃いときは、数メートル先さえ見えないほどで、怖いくらいだが、最近はそういう事は滅多にない。

日々遅ればせながらも春にはちゃんと向かっている追分だが、下旬の春本番に向けて、速度は加速しているようで、瞬きする間に変化するような感じだ。
ふと見るとカタクリにもう桃色のつぼみがついており、ボケの硬い枝には赤みがかった新芽が出て、殺風景な林にアブラチャンの花がついた枝がちらほら。我が家の林にいつの間にかアブラチャンが生えていた!
落葉松の枝にもまだまだ硬いがちゃんと緑が見えるではないか。
毎日チェックしてみよう。
樺色の林とカタクリボケの新芽
アブラチャン
生まれたばかりの落葉松の新芽

今日は月曜日。通常は神保町の中央市へ向かうところだが、今週は木曜日の大市開催準備のため中央市がないため上京せず。
代わりに南佐久で買取りの依頼があって出かける。このあたりからは浅間が空に浮かんでいるように見え、千曲川小海線が並んで走る。手前の臼田は星が良く見えることで有名だ。

作業をしていると、お宅の軒先を緑色の小海線が時たま走っていく。川の流れる音もする。車一台がようやく走れる細い路地にお宅は面していた。のどかな状況とは裏腹に、我々は久々に蔵書の大山と格闘して、できるだけお力になりたいものの専門外の分野が多く苦戦する。二人でもくもくと仕分けして、縛って、車いっぱいに蔵書を積んで失礼した。ご蔵書が多いとは伺っていたが、ここまで多いとは予想できず、準備不足であった。