otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

二度目の春

otobokecat2008-05-01

■ごんざさんのサクラ→

置いてけぼりを食っていた追分もお蔭様でようやく春となり、ほっとしたも束の間、おまけに花粉症がついてくることをすっかり忘れていた!と言うわけで、今年二回目の花粉症となる。体調不良にてブログは少々お休みをいただきます。手当てが遅れ、悲惨な状況でして。

店は5月6日までは(珍しく)毎日開けております。
  12:00−17:00
昨日は、骨董の時幻さん、カフェ・レストランのごんざさん、蕎麦屋のささくらさんがすべてお休みで、ちょっと寂しい追分宿でした。
通常、週4日しか開店していない当店ですが、静けさを求めて追分に立ち寄られる方は多く、連休中の中でも混む時期を避けてなかんずく空いた4月30日〜5月2日にこそ追分を好まれる方々がみえると思ったのです。

昨晩、寝しなに読んでいた文庫本に思わず唸ってしまう一文を見つけ、栞を挟みました。

 今朝の浅間は特別にきれいでした。桔梗いろの山肌が、朝のうす霧でぼうっと半分から下だけいぶし銀にぼかされ、煙は水あさぎの空に牛乳のように吹きこぼれていました。


―「やまびとのたより」より
  『野上弥生子随筆集』竹西寛子編 岩波文庫

野上氏は白寿の祝いを受けたときにまだ現役作家。北軽井沢の山荘で書かれた物も多い。
同じ山を見ていてもなぁ、さすが表現力が違う、あの紫色をいったいどうやって言い表したら良いのかと長年思案していたのですが。

カキドオシもその名のごとく、手を伸ばし始めました。
日に日に、林がうす緑の衣をまとう追分です。