otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

足跡の残し方

otobokecat2008-06-20

昨日夕飯を食べながら、桜桃忌であったことをラジオで知った。そして没後60年と言う節目であったという。
実は書いていた日和の原稿も、たまたま「60年」にまつわるものであったので、(取り上げた本名はまだ内緒!)それに比べて、太宰の没後60年が私にはちょっと意外な気がした。新聞記事によると、例年にも増してファンが三鷹の寺に集ったとのこと。勿論店の書架にはちゃんと入っているが、久しぶりにめくってみようか。

ネットで桜桃忌を引いてみていたら、太宰治ゆかりの邸宅「雄山荘」のことが出ていた。「油屋旅館」の今後のことがずっと気になっているものとしては、思わず読んだ記事だ。以下一部引用しておく。興味のある人は続きを読んでもらいたいが、あまり芳しい方向には進んでいないとのこと。
個人の持ち物だからと言うことも有るだろうが、役所が動き出していてもやはり難しいのか…。
国土や建物に対して「共通の財産」と言う発想を持てないものだろうか?

遠く、宇宙で組み立てられる実験室が注目される世時、寺田寅彦曰くのこの釣り橋のような危うい日本列島のなかにも、もっと注目しなくてはならないことがあるのではないか。それは、地震への備えだったり、貴重な遺産の保存だったり。

6月19日12時2分配信 毎日新聞より、一部引用

◇きょう「桜桃忌」没後60年
 太宰治ゆかりの小田原市曽我谷津の邸宅「雄山荘」が朽ちかけている。代表作の一つ「斜陽」の構想を練った場所として知られ、市民らの要望を受けた市が土地と建物を取得して一般公開する方向で動いてきたが、所有者の了解が得られないまま建物の荒廃が進んでいる。19日は太宰をしのぶ「桜桃(おうとう)忌」。没後60年になる。
 雄山荘は1928年12月、小田原出身の実業家の別荘として建てられた。富士山を一望する高台の敷地に約130平方メートルの木造平屋の建物がある。数奇屋造りにガラスをはめた障子など異国情緒を取り入れ、建築技術の粋が凝らされている。…

夜半から本格的に雨。地が固まる雨であってほしい。