otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

・・・時々霧・・・寓話的お願い

otobokecat2008-06-28

ムシトリナデシコ

梅雨の割にはあまり雨降りが長くないが、さすがに湿度がある。そのうえ気温の上下が激しいので、時々急に霧が巻いてくる。旧軽井沢のほうはここよりももっと霧がよく発生するのは、峠がすぐそこだからだろう。

あたりは自然林なので、様々な木が勝手気ままに生えており、今の季節はもうちょっと何とかしなくてはというくらい茫々とした感じだ。
霧が林の向こうから湧いてくると、視界がどんどんわるくなり、遠景が白色の向こうに飲み込まれていくように消えていくとき、この雑然とした木々があってくれるおかげで、まだ心丈夫に思う。もしここが木が一本もない草原だったら、あっても整然とした林だったら、方向感覚がなくなりおそらく相当怖いと思うに違いない。そういう点では、道もまた頼りになる存在かと、交通量の多い林道を恨めし顔で見ながら思う。
初夏の週末、交通量が増えてきた。信号がないのをいいことに、かなり飛ばしているのがさらに怖い。歩道がないので歩くのが危険。サイクリングなんてもってのほか。恐れ多くも警察に一日に一回で良いから、パトロールして欲しいと依頼したが、お見受けしない〔今のところ〕。ここでネズミ捕りをすれば、必ず捕まえられるはずなのだが、エッ本物のねずみ??が捕れたって?
その閑がないというのなら、この沿道に交番〔見張り小屋〕を一軒作ってくれると良いのだが。人手がないなら、猪や熊、猿が日替わりで中にいるのはどうでしょう??絵本の世界ではよくあることだが、もし実際にあったら、これはかなり怖いかも。
霧に巻かれながら、非現実的なことをあれこれ。


ベアトリクス・ポターの伝記のような小さい洋書が手に入ったので読んでみた。三月のイギリス旅行で実際に見た風景が重なった。ポターの貢献したナショナル・トラストの活躍の成果ということだろう。
100年以上たってもこの話がちっとも古くさくないのは、やはりポターの観察眼の精密さが根底にあるからだと思う。1893年(27歳)に、病気のノエル少年を元気付けるために作られたお話がこのシリーズの始まりだったが、それ以前のペットのウサギのベンジャミンのスケッチや、きのこの研究をみても、相当書き込んである。蜘蛛のスケッチなどは体毛の一本一本まで描かれてあって、びっくり。ピーターラビットの絵は可愛いだけの絵ではなく、イラストを背景までも仔細に書くことで、絵本ということを超えて更なるものまで表現していると私には思える。

イギリスには、長い間人気の児童文学が数多くある。