otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

風も吹かぬ林

otobokecat2008-09-07

無休の季節は終わり、今は週の半分しか暖簾を上げていない。
先週は月〜水まで東京にいたため、戻った翌日=木曜日からまた店を開けて、何のことは無い8月より慌しい日々となってしまった。そして明日はまた神保町だ。今回は日帰り。出品は見合わせよう。
先週行って感覚を思い出したが、この温度差と高低さは、思いのほか体にひびく。
今日は穏やかな一日の始まりだったが、日中激しい雨にたびたび襲われた。午後早い時間の雨は店には厳しい。降るなら朝からどうぞ。

明日は、久々に高気圧がお出ましになる貴重な「乾いた晴れ日」だというのに、我々は朝早く家を出てしまうので、夜のうちにベランダに洗濯物を干す。
木の葉一枚うごかす微風も無い。時折、葉の上に乗っている雨の名残りが耐え切れなくなって落ち、ぼとっと大きな音を立て、それが闇に響く。
草むらではコロコロ・・・ジージー・・・リリリリリ・・・と、こおろぎやマツムシなどが鳴いている。そんなわけあるはず無いけれど、まるで息継ぎをするように、虫たちが鳴き声をふと停める瞬間があるのだが、いっせいに鳴き止んだりすると無音の時間が生まれ、ちょっと怖い。今はまだ1,2%でほんの一瞬だ。
真冬になると「無音」の世界が85%ぐらいになる。

もっとも私の耳に音が聞こえないだけの話で、ベランダの端でベル公の耳はレーダーのように音を拾っている。

林の向こうに何件か別荘があるのだが、夏の間点っていた灯かりはいつの間にかない。
風が吹いたら急に時が進み始めるような、そんな秋の宵。こんな静かな夜には、夜更かしをして本でも読みたいが、明朝は早い出立なので残念ながら諦めよう。