otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

土との対話

otobokecat2008-10-09

一日一日と色づいていく山。刻々と変化していくスピードが速く、耳元でカウントダウンされている様で、美しさの中に緊張感がある。そんな中、懸案だった店の前の植栽の工事が始まった。
 
永楽やガーデン;岡田さんがトラックに資材を積んで朝やってきた。猫じゃらしや、スギナ、ナギナタコウジュなどがただ茫々と覆うこのスペース、それはそれで風情はあるが、果たしてどのように生まれ変わるかとても楽しみだ。すでに一馬力さん作成の鉄の看板がどーんと陣取っており、石で囲まれた決して広いとはいえない空間。看板と店構えを引き立て、なおかつ道行く人に何かを感じてもらえるような、そんな欲張りな注文の植栽がここに求められている。驚くなかれざっと20種もの植物が植え込まれる。今日は、初めの一歩として、土地改良と修景が行われた。汗ばむほどに気温が上がった中、黙々と仕事をされていた。基本はまず土壌つくり。草を引き、根を引き抜き、耕し、黒土・腐葉土を投入する。土と話しながら仕事を進めておられるように見えた。

私は朝から店に降りて、店のなかで仕事をしながら、時々首を出して現場を冷やかした。こんな間近にその行方が見守れるのは実に嬉しい。

夕方まで作業は続き、メインになる樹が植えられた。岡田さんがこの場所に選んだ樹は「ハナノキ」。紅葉も素晴らしいが、春先には花も楽しめるという点では珍しいカエデの仲間で、トウカエデのような三つに裂けた葉の形をしている。狭い場所に植えるので、ここに順応させるためにあえて1mほどの小ぶりな木が植えられた。これからの成長が楽しみだ。名前もいい。

夜、緒形拳さんに逢いたくて「風のガーデン」というドラマを見始めた。