otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

旅立つ秋


■店の裏の池に写っていた秋

昨日イベント担当で気が張っていたのを労ってくれたらしく、今日はぶらぶらしていていいというので、お言葉に甘えて今日は山荘でのんびりしていた。店番はいいから、家を片付けなさいと言うメッセージかもしれなかったが、あえて気が着かないふりをして、折から薪ストーブを焚いていたので、熾っている炭をそこから貰って、骨董「時幻」さんで閉店記念にと購入した手あぶりの火鉢で餅など焼いてみる。

さすが炭火、きれいに焦げ目も着いてぷーっと膨れた。磯辺と安倍川にしておなかにしまった。小さい頃、正月の雑煮の餅を火鉢で焼くのは私の仕事だった。火鉢で焼かなくなったのはいつからだったか…。「時幻」さんで火鉢を見た時、無性に餅を焼きたくなった。灰もすでに入っており、一緒に五徳も買っておいたのだった。
沢山焼いてしまったので、それをもって店に差し入れに行くと、ちょうど客人あり、お相手など。N氏の会社の同期の方や、同級だった方に追分に随分来ていただいている。そういう年代になったと言うことかもしれないが、この地ならではという気もする。なぜかここにはそういう引力がある。
夕方、西日の中の「時幻」さんの写真を撮っておきたいと思い、外に出ると、隣の油屋旅館の看板横のニシキギが紅葉していたので、こちらもパチリ。
 
名残惜しい風景を写真に収めるのはさびしい。
今日は風があり、どんぐりがばらばらと降ってくるなか、坂道を登ってくる。一つふたつと道沿いの別荘がしまってゆく。
草むらにトリカブトが沢山咲いている。テンナンショウの実が怪しく笑っている。
 

明日霜がおりていたなら
それは凍った月の涙

秋は木立をぬけて
今夜遠く旅立つ
今夜遠く旅立つ

♪MISSLIM/荒井由美