otobokecat’s blog

たまに本を読む猫

はなをくんくん

otobokecat2009-02-05

■本日の浅間山
立春を過ぎたからそう思うのかもしれないが、この緩んだ気温と相まってなんとなくちょっと春の匂いがするような追分だ。たぶん数日後にはやっぱり気のせいだったかと思うんだろうが。五月でも雪が降ってもおかしくないここでは、お彼岸がきたってまだ油断が出来ない。二月はその名の如く如月(=衣更着・きさらぎ)の月なのだ。
それはそうなのだが、たとえば猫の毛が抜けはじめたり、林の野鳥のおしゃべりの声色が変ったように感じたり…する、息継ぎのような今日この頃。

昨日、今日とすっきり青い空が広がり、浅間山は斑になったとはいえ雪を相変わらず被っている。(写真参照↑)マグマが活動して噴火したといっても山が熱くなったというわけではないのだな・・・。素人考えでは山全体の温度が高くなったようなイメージがあるのだ。なにしろ噴火前に山が膨らんだというぐらいだから。昨日よりは山頂付近の雪が無い。山腹の上部はツツドリの胸元のように白とグレーの縞模様になっているが、山の南西部はまだまだ白い。
家の周りの雪は、北側の影の部分を含めてついにほぼ消えた。いつもはすべて消える前に次の雪が降って来るので、完全に消えるのは珍しい(と書いて外に出たら、つつじの茂みに一塊だけあったケド。見なかったことにする。)
いつもの如く午後は店に行き、発送やネットの注文本の対応の後、仕入れた本の掃除と値付け作業を夕方まで。最近店の裏庭でもひまわりの種を出しているので、そのえさ台を横目で見ながら作業をする。早速、コガラやシジュウカラがボケの木にとまっては、えさ台に恐る恐る近づいて、一粒くわえては飛び去る。地面から40cmほどなので、もう少し高くて安全なところに置いてやりたい。

■ひとつかみ置いておくと何時のまにかなくなる
駐車場の草むらには何時もカワラヒワか、ホオジロが群れを作って草の種をついばんでいる。車が入ってくるとワッと飛び立つのでいたことがわかるが、枯れた草と同色でほとんどわからない。一見同じ様に見える野鳥も食べ物の好みは様々だ。彼らはえさ台には来ない。

クリスマス絵本が多いことは以前に書いたが、「冬」を題材にした絵本もまた多く、『てぶくろ』『ゆきごんのおくりもの』など好きな本が沢山ある。
  てぶくろ (世界傑作絵本シリーズ) ゆきごんのおくりもの (新日本出版社の絵本)
今日はその中からお勧めの二冊。
バムとケロのさむいあさ 
●『バムとケロのさむいあさ』島田ゆか 文溪堂 1996 息子の小さい頃にはこの本はなかったらしく存在を知らなかったが、児童館から注文の本のリストの中にこのシリーズがあり、取り寄せてみたら面白いのでびっくり、以来ファンに。店に見える小さいお子さんやお母さん方にも人気がある。初めてバム君を見たときにはそのなんとも言えぬ物憂げな表情に正直どうしてこの本にリクエストが来たのかがわからなかったが、ページをめくり納得。ページをめくるという絵本の形態がそのおかしさを助長していて、ついワハハと笑ってしまう。詳細な書き込みが凝っていて、宝探しのように隅々まで子どもを楽しませる。この『バムとケロのさむいあさ』は、今の季節にぴったりのストーリーで、あひるのカイ君が池に浮かんで星を見ているうちに氷に埋まってしまい、動けなくなったところをワカサギ釣りに来たバムとケロに助け出される。(氷ごと家の風呂に入れられて脱出するというのがまたユニーク)ケロは珍客さんに興奮して大はしゃぎ、かまいすぎてカイ君は置手紙をして池に帰ってしまい……。細部まで楽しい一冊。

はなをくんくん (世界傑作絵本シリーズ)

はなをくんくん (世界傑作絵本シリーズ)

●『はなをくんくん』は古典絵本ともいえる一冊だが、雪に埋もれた森の動物たち:小さなカタツムリから、りす、うさぎから熊までが、何かの匂いに誘われて巣穴から這い出して一目散に匂いの元へというシンプルなストーリー。雪深い森の中の静寂から、みるみる動き出していく躍動感がモノトーンで見事に表現され、動物たちの表情も実に活き活きとしていて、春を待つ心はあらゆる世界に共通なんだなと思う。今日みたいにちょっと春の気配を感じた日には、思わず鼻をくんくんしてしまいそうだーまだ私には何の匂いもしないし、表紙↑のリスのように小躍りもまだできないけれど。

もう梅の便りが届いているところもあるらしい。